リアルタイム組込み用CPU「Cortex-R5MP/R7MPコア」

　英アーム社は、携帯電話、ストレージ、車載、産業機器市場向けのＣＰＵコア「ＡＲＭ　Ｃｏｒｔｅｘ―Ｒ５ＭＰコア」と「同―Ｒ７ＭＰコア」を発表した。新ＣＰＵコアは、多様な高性能リアルタイム組込み用途で、スケーラブルなソリューションを提供できる。

　 新ＣＰＵコアはいずれも、シングル・コア、デュアル・コアの実装が可能。特に、同―Ｒ７ＭＰコアは、新しいリアルタイム拡張など実証されたＳＭＰマルチコア・テクノロジーを搭載し、意図した用途で性能のスケーラビリティとエネルギー効率を最適化できる。

　 同Ｒシリーズのプロセッサはバイナリ互換のため、システム設計者は、現在のアプリケーションに最も適切なプロセッサと機能を選択できる。多大なソフト投資を抑えながら、既存の設計の発展に従った安全な移行パスを提供する。

　 このためモバイルベースバンドの分野では、現在の第３世代携帯電話通信ベースバンド製品の９割に搭載されているＡＲＭコアのソリューションから、ＬＴＥ対応の同―Ｒ５、ＬＴＥアドバンスド向けの同―Ｒ７への移行も可能となる。

　 求められる性能が高くなるにつれ、スケーラブルなロードマップは、マス・ストレージ機器の開発者にも移行パスを提供し、ハード・ドライブ・コントローラにおける大容量化と高データ・レート化に伴う問題解決に貢献する。

　 同―Ｒ５は、同―Ｒ４の機能を拡張しシステム性能、効率性、信頼性を向上させ、信頼できるリアルタイム・システムのエラー管理を強化。

　 同―Ｒ７は、アウトオブオーダー実行、動的なレジスタリネーミングと分岐予測の改善、スーパースカラ実行、そして除算、浮動小数点演算、そのほかの関数の高速ハード回路により、Ｒシリーズで最も高い性能を実現している。最新の低消費電力２８ナノ半導体プロセスで実装される次世代モバイル／ストレージ機器に求められる高速データ処理、制御を可能にした。