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日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
1月21日 |
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三菱電機 |
ユニット |
電源・アンテナ・高周波部品 |
一般産業用 |
太陽光発電向け1200V/75AのSiCパワーモジュール
三菱電機は20日、SiC(炭化ケイ素)―MOSFITとSiCダイオードを適用したSiCパワーモジュール(定格1200V/75A)の開発を発表した。単相200V出力5kWの太陽光発電システム向けパワーコンディショナで、国内業界最高の電力変換効率98.0%を達成した。
同社業務用パワーコンディショナPV―PN50G1を改造試作したもので、従来のシリコンデバイスに比べて損失を半減させた。
同社先端技術総合研究所・パワーエレクトロニクスシステム開発センターの木全政弘センター長は「当社の最高効率機種は階調制御型で97.5%。今回は階調制御ではなくシンプルな回路構成を採用した。効率を上げる取り組みは、階調制御のように回路の工夫と、デバイスそのものの性能を上げる二つがある。それぞれの効果は足し算というわけにはいかないが、何がしかの改善は見込める」と話しており、さらなる効率アップも示唆した。
回路構成は、直流電流をインバータ回路に適した直流電力に変換するチョッパ(昇圧回路)とインバータで、それぞれの回路に、SiC―MOSFETとSiCダイオードを搭載。今回はSiCデバイスの適用と、回路構成部品であるACリアクトルの見直しも行い、ベース機種 比で損失を半減以下にすることができた。
定格5kWでの変換効率に加え、2kWなど低負荷まで高効率を維持できていることも実証済み。「全域での電力変換効率も従来比2ポイント以上向上した」(木全センター長)。
同社のSiCデバイス開発は09年2月に発表し、11kWインバータ動作損失70%低減を実現したSiC―MOSFETインバータ動作実証など要素技術開発を経て、SiCダイオード搭載鉄道車両用インバータ動作実証(10年1月)、SiCダイオード搭載エアコン製品化(同年8月)と個別機器への開発段階にきている。
今回のモジュールも開発プロセスにあるもので、従来に比べ特性や信頼性の改善を織り込んでいる。
製品化に関して木全センター長は「製品化に当たっては、規格をはじめ製品としてどう仕上げるなど段階が必要。研究開発部門としては、3年以内ぐらいには何とかしたいと考えている」と話す。
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