電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
11月19日 101119_03 クラレ 電子材料 電子材料 一般民生用

曲がると電圧が発生するフィルム状「ポリマーセンサ」


 クラレは、独自の高分子材料を用いて、曲がると電圧が発生するフィルム状の「ポリマーセンサ」を開発した。従来の圧電センサーなどの曲げセンサーとは異なり、変形を保持している間、電圧を継続して発生する。同社では今後、ヘルスケアや入力デバイス関連などを軸に、ポリマーセンサの用途開発を進め、3年後をメドに量産開始を目指す。

 開発品は、同社つくば研究センター(茨城県つくば市)で開発したもので、曲げ変形量を電圧信号に変換できる。高分子の設計・合成技術を駆使して、曲がると電圧が発生する独自の高分子材料を開発し、この材料を用いて柔軟・軽量なポリマーセンサを開発した。

  センサー本体の変形量に応じて、発生する電圧が増減する。PVDFなどの圧電センサーや歪ゲージと異なり、センサー本体が変形した状態の間、ほぼ一定の電圧を継続的に発生する。高い柔軟性および軽量性。加工自由度が比較的高く、用途や求められる電圧に応じてセンサー本体の形状やサイズの変更が可能。外部電源不要。

  耐久性は、繰り返し曲げ時の信号強度変化試験で曲げ回数100万回でも十分な信号保持率を確認した。温度特性にも優れる。

  曲げた時の変形量を幅広い範囲で検出できるため、測定対象物の動きや角度・凹凸の変化を検出するセンサーとして最適。

  同社ではポリマーセンサの用途について(1)ヘルスケアおよび(2)入力デバイスを中心に市場開発を進める方針で「ヘルスケアでは人体に直接張る、または衣服と一体化した形で使用するヘルスモニタリング用途、入力デバイスでは、ゲーム機や玩具などの用途を想定している」(山下隆・高分子材料研究所研究主管)。

  このほか、タッチパネルやディスプレイ、ロボット、触覚センサー、3次元の変位や圧力情報を検出するセンサーなどの用途展開を目指す。

  同社では、3年後の量産開始をメドにポリマーセンサの開発を推進していく。山下主管は「量産開始時の価格は数百円がターゲット」と話す。

  同社は、今回の開発品を24日に東京ビッグサイトで開幕する「センサエキスポジャパン2010」で紹介する。

  曲げセンサー、伸びセンサー、角度センサーなどを含む変形センサーの市場は、ワールドワイドで年間1千億円程度の市場規模があり、今後も成長が見込まれている。


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