環境配慮型「Lalox ENH」樹脂の新グレード3機種

　ＳＡＢＩＣイノベーティブプラスチックスは、電気電子業界向けに優れた難燃性（ＦＲ）や電気特性、機械特性を持つ環境配慮型「Ｖａｌｏｘ　ＥＮＨ（バロックス　ＰＢＴ）」樹脂の新グレード３機種を発表した。欧州廃電気電子機器リサイクル指令（ＷＥＥＥ）を含む世界的な環境規制要件を満たしている。

　 通常、難燃性ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）樹脂内のハロゲン含有量低減のために難燃剤を非臭素・非塩素系に切り替えると、樹脂の機械特性低下の恐れがある。

　 今回のＶａｌｏｘ　ＥＮＨ　ＰＢＴ樹脂グレード３種は、非臭素・非塩素系難燃技術の採用に加え、競合の非臭素系難燃性ＰＢＴ樹脂と比較して、よりバランスのとれた特性を発揮。延性や耐薬品性、耐衝撃性に加え、臭素系グレードよりも優れた電気特性や燃焼特性を提供する。

　 新グレードは、無充填、１５％ガラス繊維強化、３０％ガラス繊維強化の３種。０.８ミリメートル厚でＵＬ９４Ｖ０基準を満たす。比較トラッキング指数（ＣＴＩ）はＶａｌｏｘＥＮＨ４５３０樹脂が５００Ｖ、ＶａｌｏｘＥＮＨ３５００とＶａｌｏｘＥＮＨ４５６０樹脂は６００Ｖ。２００Ｖ前後の標準の臭素系ガラス繊維強化ＰＢＴを大幅に上回る。電気冷却ファン、リレー、コネクタ、スイッチ、プリンタの定着器などに使用できる。