高周波デバイス基板向け比誘電率50のLTCCモジュール基板材料各種

　ヨコオはこのほど、ＬＴＣＣモジュール基板事業の本格化に向けて自社開発を進めてきたＬＴＣＣ基板材料で、比誘電率５０の「高誘電率・低損失材料」を開発、米国特許を取得した。今後、新・セラミック材料技術を生かした高周波デバイス用基板への展開を図り、セラミックス事業拡大を目指す。

　 これまで同社は、市販材料（比誘電率７のガラスセラミックス材料）を用いて、半導体検査用プローブカード用のＬＴＣＣインターポーザ基板や各種モジュール基板、ＷＬＣＳＰ用基板を設計・製造販売する一方で、より高い誘電率と低損失を望む高周波デバイス用基板市場のニーズに向けた新材料開発を進めていた。

　 今回開発の高誘電率・低損失材料は「ＹＤＭ―５００」（比誘電率５０、誘電正接０.０００６）と「ＹＤＭ―２００」（比誘電率２０、誘電正接０.０００３）の２種で、米国特許を取得したのはＹＤＭ―５００（ＹＤＭ―２００も特許出願中）。

　 新材料を使用して同社が製造した基板は、既に大手電機メーカーの研究開発部門に機能性高周波デバイス搭載用モジュール基板として採用され、現在、デバイス試作が行われている。同社ではさらに、新材料の焼成収縮率抑制や微小面積抵抗形成など量産化への技術開発を進めている。

　 現在開発中の「低誘電率・低損失材料」は、比誘電率４・１、誘電正接０.００２の値が得られている。市販の熱膨張率の小さい同様材料に比べ、比誘電率を変えずに熱膨張率を大きく変更でき、これにより樹脂基板とのマッチングを図れる。１１年からのサンプル試作を予定している。

　 同社はこれらの技術を活用した各種高性能基板の供給によって、デバイスの高周波化・高速化への貢献とセラミックス事業の拡大を目指す。