世界最小サイズで温度センサー付き温度補償水晶発振器（VC-TCXO)

　日本電波工業は、世界最小サイズ（２.０×１.６×０.７ミリメートル）で温度センサー電圧出力機能およびＥｎａｂｌｅ/Ｄｉｓａｂｌｅ機能を有する温度補償水晶発振器（ＶＣ―ＴＣＸＯ）を開発した。サンプル対応は１２月、量産開始は１１年以降をそれぞれ予定。

　 携帯電話・スマートフォンなどの携帯情報端末で、安定的にＧＰＳ信号を受信するには、使用環境の温度変化に対して受信回路の周波数変動が少ないことが求められる。そのため、主に高精度ＴＣＸＯ（温度特性：プラスマイナス０.５ｐｐｍ）が使用されている。

　 その一方で、ＧＰＳ機能をさらに向上させるため、高精度ＴＣＸＯの温度特性をさらに安定化させたいという要望が高まっている。こうしたニーズに対し同社では、ＴＣＸＯ自身の温度情報をＧＰＳチップセットに供給することができるＶＣ―ＴＣＸＯを開発。

　 新製品は、温度センサー電圧出力機能を搭載。ＴＣＸＯ自身の周囲温度をＧＰＳチップセットにリアルタイムで出力することにより、チップセット側でさらにＴＣＸＯの温度特性の補正が可能になり、ＧＰＳ機能の向上が実現される。

　 同時に、Ｅｎａｂｌｅ/Ｄｉｓａｂｌｅ機能を搭載することで、パワーマネジメントが容易になり、低消費電力化によるバッテリの長寿命化・環境負荷の低減に貢献する。