UWB技術使用のワイヤレスUSBチップセット2品種

　韓国のサムスン電子はこのほど、ＵＷＢ（超広帯域無線）技術を使用したワイヤレスＵＳＢ（ＷＵＳＢ）チップセット「Ｓ３Ｃ２６８０」「Ｓ５Ｍ８３１１」を発表した。

　 モバイル機器とモデム間のＨＤ（高精細）コンテンツの無線伝送を実現するもので、当初は高解像度カメラ、カムコーダ、テレビ、ＰＣ市場をターゲットに展開する。タブレットＰＣやプリンタ、プロジェクタ、携帯用ＨＤＤ、ブルーレイディスク・プレヤー、モバイル機器への採用も期待されるという。

　 「民生電子機器には、消費電力を抑えながら、無線の高速データ伝送を実現する機能が求められているが、前世代のＷＵＳＢ製品はこの要件に対応することができなかった。当社の新ソリューションは、平均消費電力３００ｍＷ未満で、データ伝送レート最大４８０メガビット/秒を提供する」と、ＬＳＩ事業部門、システムオンチップ（ＳＯＣ）マーケティング担当のワン・イワン副社長は説明する。

　 新ＷＵＳＢチップセットは、ベースバンド・プロセッサとＲＦトランシーバを統合したＳＯＣで、サムスンの６５ナノメートル低消費電力ロジック・プロセス技術により製造。ＳＤカードやＵＳＢドングルに適用できるほか、民生電子機器やモバイル機器への組込みにも対応する。

　 ２００メガビット/秒以上の情報処理能力レートでのワイヤレス伝送が可能で、８０２.１１ｇのＷｉ―Ｆｉ規格を使用したものに比べ、消費電力は１０分の１という。また、マルチスレッショルド対応で、既存のＷＵＳＢに比べ３０％消費電力を削減する。

　 ＡＲＭ９コアをベースとしており、ＷｉＭｅｄｉａ　ｖ１.２ＰＨＹに対応。ＳＤＩＯ、ＳＤカード、ＳＤホスト、ＮＡＮＤフラッシュコントローラ、２つの高速ＵＳＢ２.０ＰＨＹインターフェイスを装備する。

　 現在、一部の顧客向けに出荷中で、１０年第４四半期に量産を開始する予定としている。