45ナノSOI技術による世界最速のマイクロプロセッサ「z196」

　米ＩＢＭは１日、１０日から出荷を開始する新型メインフレーム「ｎエンタープライズ１９６」に搭載の世界最速マイクロプロセッサ「ｚ１９６」の詳細を明らかにした。

　 ｚ１９６は、４コアプロセッサで、５１２平方ミリメートルの表面に１４億トランジスタを搭載する。同社エンジニアが設計し、ニューヨーク州イーストフィッシュキルの同社３００ミリファブで、ＩＢＭの４５ナノメートルＳＯＩ（シリコン・オン・インシュレータ）技術により生産された。開発には、テキサス州オースティンほか、ドイツ、イスラエル、インドのＩＢＭ研究所が関与した。

　 同社の特許技術であるｅＤＲＡＭ（混載ＤＲＡＭ）テクノロジーを採用しており、高速マイクロプロセッサと同じチップ上に大容量ＤＲＡＭキャッシュを内蔵する。これにより性能の大幅向上を実現した。

　 ｎエンタープライズ１９６には、同プロセッサが９６個使用されており、１秒間に５００億を超える命令を実行できる。これは、ＩＢＭの「システム/３６０」ファミリーのハイエンド製品「モデル９１」が７０年に達成した命令実行数の約１万７千倍に相当する。

　 同プロセッサは、すべてのワークロードで性能を最適化するソフトを採用しており、システム性能やソフト性能を向上させる。