自動車のLEDヘッドライト制御用IC「μPD168891」

　ルネサスエレクトロニクスは、ＬＥＤ（発光ダイオード）制御用ＩＣの展開を民生用途に加え、車載用途へも拡大させる。このほど、自動車のＬＥＤヘッドライトの点灯/消灯を制御するＩＣ「μＰＤ１６８８９１」を製品化し、サンプル出荷を開始した。ＬＥＤヘッドライト制御ユニットの信頼性を高めながら小型・軽量化を実現する。

　自動車のヘッドライト分野でも近年、消費電力が低く、長寿命を特徴としたＬＥＤの応用が始まりつつある。従来、ヘッドライトには電圧を変換する機能を持つ汎用ＩＣが用いられているが、これら汎用ＩＣを車載ＬＥＤヘッドライトへ応用するには多くの外付け部品が必要となり、基板やＥＣＵ（電子制御ユニット）サイズが大きくなるといった課題があった。

　 新製品は、ＬＥＤの定電流駆動に必要な機能と車載用途に必須となる機能を集積した。

　 最大１２個直列接続されたパワーＬＥＤの定電流駆動制御が可能。パルス幅変調（ＰＷＭ）制御方式を採用し、車載オーディオへの影響を抑えるための昇圧制御のスイッチング周波数をＡＭラジオの周波数帯より若干低い最大５００キロヘルツまで設定できる。電源電圧は６―２８Ｖの範囲。昇圧駆動用と異常時の電流経路遮断用のパワーＭＯＳＦＥＴを駆動するプリドライバー回路を内蔵し、ＥＣＵの駆動電流やＬＥＤ使用数に見合う昇圧比率に応じて、最適な外付けパワーＭＯＳＦＥＴを選択できる。

■ 各種の保護機能
　 また、車載用パワーＩＣの開発で培った技術、ノウハウを基に、ＬＥＤ電流と昇圧駆動ＭＯＳＦＥＴの過電流保護、過昇圧・負荷（ＬＥＤ）オープン保護など各種保護機能を内蔵。保護機能が動作した場合に、その状態を出力するダイアグノーシス機能、外付けパワーＭＯＳＦＥＴをオフ状態に制御し電流経路を遮断する機能も持つ。パッケージは、新たに開発した低熱抵抗の７ミリ角サイズ４８ピンＶＱＦＮを採用。

　 同社では「燃費向上を目的とする車両の軽量化といった、環境に優しい自動車の開発に貢献できる製品であり、積極的な拡販活動を展開する」としている。