100723_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
7月23日 |
100723_01 |
パナソニック セミコンダクター |
半導体素子 |
ディスクリート |
通信インフラ用 |
ミリ波帯長距離通信向け高出力窒化ガリウム(GaN)トランジスタ
パナソニック セミコンダクター社(石黒永孝社長)は、ミリ波帯長距離通信を実現する高出力窒化ガリウム(GaN)トランジスタの開発に成功した。
また、同GaNトランジスタ搭載高周波回路を採用した25ギガヘルツ 送受信機を作製し、東京で実証実験を行い、平均出力2W、16キロメートルのミリ波大容量長距離通信に成功した。出力からの試算では最大84キロメートル、東京から富士山までミリ波で大容量長距離通信できるとみている。
車載レーザーや軍用レーダーなどで使用されている程度の未利用周波数帯として今後、ビル間の都市間通信や離島への超長距離無線アクセスなどで活用が期待されている、ミリ波帯を用いた大容量長距離通信システムの実用化を大きく前進させるデバイス開発として注目される。
開発したGaNトランジスタは、量産性に優れたシリコン(Si)基板上に高出力GaNトランジスタを作製するため、高品質GaN結晶成長技術と結晶状窒化シリコン(SiN)ゲート絶縁膜技術を開発。Si基板上GaNデバイスとしては世界最高出力となる25ギガヘルツ ミリ波帯で10.7Wを達成。
60ギガヘルツ ミリ波帯でも2.4W/ミリと、従来のシリコンカーバイド(SiC)基板上GaNトランジスタを上回る世界最高出力電力密度を得た。
高品質GaN結晶技術は、Si基板上に窒化アルミニウム(AlN)バッファ層を形成し、GaNを成長させていた従来の結晶成長技術に代わり、Si基板上にAlN/窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)バッファ層にAlN/GaN多層膜を数十ペア周期的に形成した後、GaNを成長させる新結晶成長技術を用いた。
また、GaN上に形成する窒化シリコン(SiN)ゲート絶縁膜が、これまでアモルファス状のSiNだったのを、SiNゲート絶縁膜形成温度を上げることで、高品質の結晶状SiNを形成できた。
これにより、ゲート破壊耐圧を従来の60Vから160Vに向上。ドレイン電圧を55Vに高め、Si基板上GaNトランジスタとして世界最高の高出力を実現した。
総務省からの委託研究「電波資源拡大のための研究開発」の一環。
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