電波プロダクトニュース



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5月7日100507_03 東京農工大学大学院/日本ケミコン 電子材料 電子材料 自動車機器用

ナノハイブリッド技術使用のリチウムイオン電池の高出力電極材料


 東京農工大学大学院・直井研究室(直井勝彦教授)と日本ケミコンの寄付講座である同大学院・キャパシタテクノロジー講座は、ナノハイブリッド技術を使ったリチウムイオン電池の高出力電極材料を開発した。正極材料にリン酸鉄リチウム、負極材料に酸化スズを選定し、それぞれリチウムイオン電池の高性能化を確認した。電気自動車の高速充電システムへの最適な応用が可能になる。

  両電極材料に応用したナノハイブリッド技術は、超遠心力場におけるゾルゲル法により、ナノレベルに粒子化した材料と炭素基材を、複合な工程を踏むことなく高分散に複合化することを可能にしたもの。

  今回開発に成功したのは、正極材料にリン酸鉄リチウムを使って高容量、高出力化に成功したこと、負極材料に酸化スズを使って高出力、高サイクル化を達成したことの2点。

  リン酸鉄リチウムにナノハイブリッド技術を用いたところ、粒子をナノ結晶化し、カーボンに内包したホオズキ型、サヤエンドウ型という二つのナノ複合体を作ることに成功した。これによって、世界最高レベルの高い容量発現と高出力化を達成した。この新しい正極材料をチタン酸リチウム負極と組み合わせた高出力電池の場合、第1世代電気二重層キャパシタに比べ、7倍以上のエネルギー密度が得られることを確認した。

  一方、負極としては、酸化スズにナノハイブリッド技術を応用したところ、酸化スズとしては世界最高出力となる5―10Cでの放電が可能になった。充放電試験(10C、360秒)において、800回以上のサイクル特性が確認されているという。

  今回、ナノハイブリッド技術を応用する電池材料としてリン酸鉄リチウム、酸化スズを選定したのは、電極材料として安全性が高く、資源性に優れていることから、高性能化を実現することで実用性が高く、普及が有利になるため。同グループは引き続き、ほかの電池材料もナノハイブリッド技術に応用して高性能化を発見したいとしている。


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