デジタルI/F搭載世界最小のMEMSマイクロホン「T4030」

　ＴＤＫのグループ会社であるＴＤＫ―ＥＰＣは、量産品としては世界最小となるデジタルインターフェイス搭載のＭＥＭＳマイクロホン「Ｔ４０３０」を発売する。量産はドイツ・ミュンヘンの工場で、年内にも月間１千万個を計画。サンプル価格は５００円。

　 新製品は、年間数十億個を出荷しているＳＡＷフィルターの製造ノウハウに基づいたもので、ワイヤボンディングでななく、チップをボール接続するなどの独自のＣＳＭＰ（チップサイズＭＥＭＳパッケージ）を用いることで、従来比約６０％の小型になる３.２５×２.２５×１.１ミリメートルサイズを実現した。

　 また、音響特性は、感度がマイナス２６デシベルＦＳ（フルスケール相対）、Ｓ/Ｎ比が６０デシベル（Ａ加重）で、音圧レベルが１００デシベルの場合でも歪率は１％未満。

　 周波数応答特性は、広帯域での振幅変動が小さいことが特徴。

　 さらにパルス密度変調のデジタル出力方式により、電磁干渉をほぼ完全に抑制。電源ノイズもマイナス８２デシベルＦＳに低減した。許容電源電圧は１.６４―２.８６Ｖ、消費電流は６５０μＡ。

　 シングルライン出力で２チャンネルの伝送が可能なため、アナログの場合に比べてステレオアプリケーションの実装は格段に容易になる。

　 携帯電話をはじめとしてＭＰ３プレヤー、デジカメなどの携帯機器では、コンデンサマイクロホンが一般的に使用されているが、新製品は超小型、薄型で優れた電気特性を有していることから、今後はこうした市場分野での採用が期待される。