Mケースサイズで大容量の新下面電極のチップタンタルコンデンサ

　ロームは、新パッケージ構造を採用し、業界で初めて１.６×０.８×０.８ミリＭケースサイズで４Ｖ１００μＦの大容量を実現した新下面電極タイプのチップタンタルコンデンサを開発。Ｍケースサイズで４Ｖ１００μＦ―１６Ｖ１０μＦの４品種と２.０×１.２×１.２ミリＰケースサイズ品で２.５Ｖ３３０μＦ―２０Ｖ１０μＦの６品種の２サイズ１０品種を取りそろえた。「ＴＣＳシリーズ」としてこのほど量産に入った。携帯電話をはじめ、ＤＳＣ、ＤＶＣ、携帯音楽プレヤー、ゲーム機などに供給する。

　 ＴＣＳシリーズは、同社独自の下面電極構造をさらに効率化するため、新しい内部構造と工法を用い、これまでより大きなタンタル素子を組み込むことができた。これにより、従来の下面電極構造のＭケース品で４Ｖ３３μＦだった静電容量を、今回の新下面電極構造のＭケース品で４Ｖ１００μＦと約３倍の大容量化を可能にした。

　 モバイル機器の内部の直流電源電圧を安定化させるためのカップリング/デカップリング回路やノイズを吸収するフィルター回路として、携帯電話やスマートフォンでは１台当たり３―１０個使用しているチップタンタルコンデンサの数を減らせ、実装面積を削減できる。

　 Ｍケースで４Ｖ１００μＦ、６.３Ｖ４７μＦ、１０Ｖ２２μＦ、１６Ｖ１０μＦの４品種。Ｐケースで２.５Ｖ３３０μＦ、４Ｖ２２０μＦ、６.３Ｖ１００μＦ、１０Ｖ４７μＦ、１６Ｖ２２μＦ、２０Ｖ１０μＦの６品種を取りそろえた。

　 １００５サイズのＵケースにも新開発のパッケージ構造を採用し、年内に大容量Ｕケース品としてＴＣＳシリーズに加える予定。

　 Ｍケース、Ｐケース合わせて月産能力５００万個。工場はローム・アポロ（福岡県行橋市）とローム　インテグレイティッド　システムズ　タイランド。サンプル価格Ｍケース、Ｐケースとも３０円/個。