携帯電話搭載のカメラ向け画像処理補正LSI「CE142」等

　ＮＥＣエレクトロニクスは、携帯電話に搭載するカメラ向け画像処理補整ＬＳＩ（携帯用カメラエンジン）ビジネスの強化を実施している。現状、５００万画素以上クラスのカメラを搭載する携帯電話向けで世界シェアトップであり、新製品を投入する１０年後半にはビジネス規模が２倍以上に拡大する見込み。

　カメラエンジンは、イメージセンサーからの画像データを処理し、手ぶれ防止や各種画像補整を行うもの。イメージセンサーとカメラエンジンを搭載することで容易にカメラ機能を携帯電話に付加できる。

　ＮＥＣエレでは、世界初の１００万画素対応製品を投入するなど早くから、カメラエンジン市場に参入。手ぶれ補正、顔検出などの機能強化とともに、高画素対応化を進めてきた。

　特に０６年に投入した８００万画素対応品「ＣＥ１３１」は、世界的な大手携帯電話メーカーに採用されるなどヒット。現状、５００万画素以上のカメラを搭載する携帯電話市場（約5000万台）で５０％を超えるシェアを獲得している。

　同社第二ＳｏＣ事業本部ＳｏＣシステム事業部の岡崎良太統括マネージャーは「ＣＥ１３１は、イメージセンサーの進化などとのタイミングが合致し、カメラエンジンとしての性能も競合と大きな差があり、成功につながった」と分析する。

デジカメ並み画質

　ＣＥ１３１に続く新製品として、フルＨＤ動画対応のＣＥ１４２や１２００万画素、フルＨＤ動画対応の「ＣＥ１４３」を投入済み。同１４３は、先端の画素サイズ１.４ミクロンのＣＭＯＳイメージセンサーに対応し、超解像度機能も搭載しデジタルカメラ並みの画質を実現する。

　「ＣＥ１３１投入時に比べ、高画素のカメラ搭載ニーズが小さい。ＣＭＯＳイメージセンサーやレンズといった部品の市場成熟とともに、カメラエンジンとしてもニーズが高まるような付加価値を提供したい」とする。

　同社では、よりデジタルカメラに性能、操作感を近づける製品の開発を実施。具体的には、感度向上や現状毎秒３―４枚程度の連写性能を毎秒１０枚以上に高める連写機能の向上を図った製品を１０年早々にも投入する。

　「１０年後半から１１年には、新製品の投入などを契機に、５００万画素以上のカメラ搭載携帯電話市場が現状の３―４倍となる２億―３億台に急拡大する可能性はある。顧客それぞれの要望に応じるソフトウエア提供などサポート活動もさらに強化しながら、トップシェアを維持しながら市場拡大を牽引していきたい」としている。