組込み市場向けPSoCの新製品「3/5」2製品

　米サイプレスセミコンダクタは、近年同社躍進の原動力となっている「ＰＳｏＣ」（プログラマブル・システム・オン・チップ）に新製品「ＰＳｏＣ３」と「ＰＳｏＣ５」を日本市場に投入、組込み分野におけるビジネス拡大を加速させる。

　 新製品は現行のＰＳｏＣ１に比べ高性能、低消費電力化を図るとともに“簡単で迅速さ”を求める顧客ニーズに対応した新統合開発環境（ＩＤＥ）「ＰＳｏＣクリエーター」も発表、搭載機器の設計期間の短期化、設計コストの低減など（顧客の競争力への貢献度向上を実現できる。

　 ＰＳｏＣは構成可能なアナログおよびデジタル周辺機能、メモリーおよびマイクロコントローラを１チップに集約したプログラマブル組込みＳｏＣ（システム・オン・チップ）。これまでに５億個の出荷実績を持つ。

　 今回、開発された新製品はこれにより、同社のプログラマブル組込みシステム設計プラットフォームをさらに強力にし、設計上の制約をなくした。
　 １２―２０ビットのデルタシグマＡＤＣを含む高精度プログラマブル・アナログ、何十個もの置き換え式周辺モジュールを含むデジタル・ロジック・ライブラリ、クラス最高の電源の管理や豊富な接続リソースと多くの利点がある。

　 ＰＳｏＣ３アーキテクチャは最大３３ＭＩＰＳの８ビット８０５１プロセッサがベース。一方、ＰＳｏＣ５アーキテクチャは最大１００ＤＭＩＰＳの３２ビットＡＲＭ　Ｃｏｒｔｅｘ―Ｍ３プロセッサをベースとしている。両アーキテクチャは広い電圧範囲を持ち、下は０.５Ｖを２００ミリＡの待機電流とともに提供することで、超低消費電力アプリケーションの要求に対応するよう設計。

　 プログラマブルな配線とともに両デバイス間でピンおよびＡＰＩ互換で、８ビットから３２ビットアーキテクチャへのスムーズでプログラマブルな設計プラットフォームを提供する。

　 サイプレスでは、今回の新製品と新設計ツール「ＰＳｏＣクリエーター」の発表（今月１４日）に関連、１０日の日本を皮切りに、１１日中国、１４日韓国、１５日台湾とアジア地域で４回のデモを交えた説明会を行った。

　 日本法人・日本サイプレスの吉澤仁社長は「今回、グレードも含めＰＳｏＣ製品群は大幅に充実した。その特徴から各種ポータブル機器に加え、新たにタッチパネルなどとつなぐ車載分野にも積極的にビジネスを展開していきたい」と新製品に強い期待をかける。

　 ＰＳｏＣ３はサンプル出荷中で、量産開始は１０年第１四半期、ＰＳｏＣ５のサンプル出荷開始は０９年第４四半期、量産開始は１０年後半を予定している。