GPS標準信号1pps使用のクロックIC「AD9548」

　アナログ・デバイセズ（ＡＤＩ）は１２日、ＧＰＳ（全地球測位システム）衛星送信による標準１ｐｐｓ（パルス／秒）信号を簡単かつ自由に用いて、通信インフラストラクチャ機器向けにクロック信号の生成と同期を実現する業界初のクロックＩＣ「ＡＤ９５４８」の出荷開始を発表した。単価は２４ドル８２セント（１千個受注時）。

　 ＡＤ９５４８は、デジタルＰＬＬ（フェイズ・ロック・ループ）搭載で、１ｐｐｓＧＰＳ信号をアップコンバージョンし、外部リファレンスに伴う入力時間ジッタ（位相ノイズ）を３００フェムト秒まで低減する。

　 リモート先の光ネットワークや、ワイヤレスネットワークのノード、ケーブル・インフラストラクチャ、データ通信機器向けの製品である。

　 広く活用されている１ｐｐｓＧＰＳ標準信号と同期したクロック信号を生成させるために従来、必要とされていた発振器やＰＬＬ、さらに、その他のクロック再生回路による専用の通信システムが不要になる。

　 ＧＰＳ信号を活用することによって、低消費電力のタイミング・リファレンス（基準信号）の提供だけでなく、設計プロセスの簡素化と短縮が実現できる。