大型液晶TV向けAC-DC電源同期整流用コントロールIC「IR1168」

　インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン（ＩＲジャパン）は、大型液晶テレビ向けに１００Ｖの交流商用電圧を直流電圧に変換するＡＣ―ＤＣ電源の同期整流用コントロールＩＣ「ＩＲ１１６８」のサンプル出荷を開始した。耐圧は２００Ｖで、同期整流用コントロール回路を２個搭載している。

　 新製品は、共振型ハーフブリッジ・コンバータの同期整流用として使われるｎチャンネルパワーＭＯＳＦＥＴを２個駆動できる。従来の電流トランスを利用した同期整流方法と異なり、新製品はＭＯＳＦＥＴのドレイン電圧を検出し、オン/オフのタイミングを正確に決める。このため、部品の追加が必要なく、設計が簡素化される。従来のダイオードを利用した同期整流回路と比べて省電力化が図れる。

　 新製品と同社の最新のトレンチ技術とパッケージ技術を採用したＤｉｒｅｃｔＦＥＴパワーＭＯＳＦＥＴを組み合わせて使えば、標準的な２４０Ｗの液晶テレビに搭載されるスイッチング電源の効率を１.５％改善できる。

　 実装面積も３分の２程度に小さくでき、整流デバイスの温度を２５度Ｃ下げられる。

　 スイッチング最大周波数は５００キロヘルツ。出力の最大ピーク電流は、吐き出し時が１Ａ、吸い込み時が４Ａ、オフする時の伝播遅延時間は７０ナノ秒、オンの時は６０ナノ秒となっている。待機電流は標準２.６ｍＡ。

　 パッケージは８ピンＳＯＰを採用し、価格は１万個購入時１.５ドル。