世界最小の電圧制御水晶発振器「DSV211AR」

　大真空は、世界最小の電圧制御水晶発振器（ＶＣＸＯ）「ＤＳＶ２１１ＡＲ」を開発、サンプル対応を開始した。サンプル価格は８００円。６月から、月産１００万個で量産を始める。

　開発品は、外形寸法が世界最小の２.０×１.６×０.７２ミリ。特に、携帯電話などに内蔵するワンセグ放送用受信モジュールに適する。

　容積は０.００２３ＣＣで、現行の２５２０サイズ（０.００４１ＣＣ）と比べて約４４％小型化した。実装面積も３.２平方ミリメートルと、２５２０サイズ（５.０平方ミリメートル）と比べて約３６％小さくなり、高密度実装が可能になる。

　また、小型化することで難しくなる周波数可変範囲の確保も、新開発の発振回路ＩＣと水晶振動子の採用により、可変できる周波数範囲はプラスマイナス１１０×マイナス６１０以上を確保し、動作温度範囲をマイナス４０度―プラス８５度Ｃ（２５２０サイズではマイナス３０度―プラス８５度Ｃ）に拡大し、より使いやすく性能を向上させた。

　１.８Ｖからの低電圧駆動が可能（１.８Ｖ動作時の最大消費電流は１.２ｍＡ）。鉛フリーで欧州のＲｏＨＳ指令にも対応。公称周波数は２７メガヘルツ。

　１.６―３.６Ｖの幅広い電源電圧に対応する。合金溶融封止技術の採用と電極材料の改善で、従来品と同等以上の耐環境性能を確保している。

　主な用途は、ワンセグ受信用チューナモジュールのほか、メディアプレヤー、ＰＮＤ（パーソナルナビゲーションデバイス）、ＤＳＣ（デジタルスチルカメラ）、ＤＶＣ（デジタルビデオカメラ）、ＨＤＴＶ（ＰＤＰ、液晶）などとなっている。