080912_06
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
9月12日 |
080912_06 |
三菱電機 |
ユニット |
電源・アンテナ・高周波部品 |
一般産業用 |
C帯およびX帯で世界最高の電力付加率を達成したGaN(窒化ガリウム)HEMT増幅器
三菱電機は、C(4ギガ―8ギガヘルツ)帯およびX(8ギガ―12ギガヘルツ)帯で世界最高の電力付加効率を達成したGaN(窒化ガリウム)HEMT増幅器を開発した。
マイクロ波を使ったレーダーの探知距離拡大や、衛星通信の大容量化のためには、送信機の出力を大きくする必要がある。同社では、従来の送信機の増幅器に用いられているGaAs(ガリウム・ヒ素)より絶縁破壊耐圧が高く、高電圧で動作させることができ、高出力化に向いたGaN HEMTを利用した基礎技術開発を行っている。しかし、広帯域にわたって高い効率を得るためには、整合回路の改善が必要であった。
これまで高周波電力を増幅素子に分配する回路には、対称のレイアウトの整合回路が用いられていた。今回非対称レイアウトの整合回路を開発し、比帯域10%の全周波数において効率を高めることに成功した。
また、増幅器内部で発生する高調波が不適切に基本波に重畳されると効率が低下する。そこで、整合回路内に2倍の高調波を効率よくトランジスタに反射させ、効率を改善させる高調波反射回路を開発した。この二つの整合回路により、従来よりも電力付加効率を2ポイント改善し、世界最高の電力付加効率52%を達成した。これにより、C帯においてGaAsを利用した増幅器の3分の2程度に当たる約119Wの消費電力で60Wの大きな出力が得られる。
X帯においても、GaNを用いて、非対称レイアウトの整合回路を採用することにより、43%の世界最高の電力付加効率を達成している。
同社では、この技術を高出力が必要な移動体通信の基地局用増幅器などの通信機器に広く適用していく予定である。
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