BD(ブルーレイディスク）プレヤー向け2画面同時再生ができるシステムLSI「EMMA3P」

　ＮＥＣエレクトロニクスは今月から、ブルーレイディスク（ＢＤ）プレヤー向けシステムＬＳＩ「ＥＭＭＡ（エマ）３Ｐ」の量産出荷を開始した。ブルーレイ最新規格に対応し、高性能ＢＤプレヤーを低価格で実現できる。

　 同社では、０９年３月末までに４００万個以上の出荷を見込む。サンプル価格は１万２千円となっている。

　 ＥＭＭＡ３Ｐは、０６年１２月発表のＢＤレコーダ向けＬＳＩ「ＥＭＭＡ３」のプレヤー専用版。再生専用機能に特化する一方で、各種周辺機能を取り込み高集積化した。

　 最新規格（ＢＤ―ＲＯＭプロファイル２.０）に完全対応し、２画面同時再生（ＰＩＰ＝ピクチャ・イン・ピクチャ）が可能だ。制御用３２ビットＣＰＵコアだけでなく、アプリケーション処理用６４ビットＣＰＵ（処理性能＝６５４ＭＩＰＳ）を搭載している。

　 さらにＤｏｌｂｙＴｒｕｅＨＤ、ＤＴＳ―ＨＤ対応のオーディオ用ＤＳＰ、ベクターグラフィックスエンジン、ＨＤＭＩトランスミッタ、イーサネットコントローラも内蔵している。ＢＤプレヤーに必要な周辺機能をワンチップ化し、部品コスト、実装面積が削減できる。チップサイズは３５ミリ角で、製造プロセスは９０ナノメートルを採用している。

　 同時に、ＥＭＭＡ３Ｐの前段となるＲＦ回路を内蔵したＢＤドライブ駆動用１チップＬＳＩ「ＳＣＭＢＯ/ＵＭ２Ｐ」も発売した。両製品の組み合わせで、ＢＤプレヤーが容易に実現できる。

　 「ＢＤプレヤーの世界市場規模は、北米、欧州を中心に０８年で６８０万台、１０年には２５００万台と急速に拡大する。日本中心のＢＤレコーダ市場も含めＢＤ機器全体で、０８年度末時点には４割以上のシェアを確保する。また、中国など新興市場での拡販を目指し、ファームウエアだけでなく、アプリケーションソフト部も提供できる体制を整える」（第二ＳｏＣ事業本部・板垣克彦ＳｏＣシステム事業部長）。

　 なお、同社ではＢＤドライブ駆動回路も統合したワンチップ製品の開発も進めている。