080508_02
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
5月8日 |
080508_02 |
NTT |
半導体集積回路 |
メモリー |
パソコン・OA機器・LAN用 |
フォトニック結晶と呼ばれる微細な人工周期構造を用い最長150ナノ秒のメモリー持続時間を達成した光ビットメモリー
日本電信電話(NTT)は、フォトニック結晶と呼ばれる微細な人工周期構造を用いた光ビットメモリーを開発、最長150ナノ秒(同社従来比60倍)のメモリー持続時間を達成した。
光で動作するメモリーとしては、半導体レーザーの双安定動作を用いた方法が研究されているが、消費電力が大きく、またサイズや構造上の理由から集積化が困難という問題があった。
開発した光メモリーは、インジウム・ガリウム・ヒ素・リン(InGaAsP)化合物半導体を材料としたフォトニック結晶の採用により、メモリー保持に必要なバイアス光のパワーが最低値40マイクロWと、従来の半導体レーザーの光安定動作を用いた光メモリーに比べ約2ケタ低減し、低消費エネルギー動作を実現している。
光メモリーのベースとなるフォトニック結晶は、厚さ200ナノメートルの半導体結晶に直径200ナノメートルの空気穴を、420ナノメートルの周期で三角格子状に配置した構造となっている。
その中の一列、穴のない直線状の領域が導波路として働き、その両脇の穴の位置を数ナノメートルシフトさせてわずかに幅を広げた領域が共振器として働く。光メモリーの心臓部となる、この共振器の光が閉じ込められる領域の体積は0.1マイクロメートル程度となっている。
作製したフォトニック結晶共振器は、光閉じ込めの強さの指標となるQ値が最大13万と、InGaAsP系フォトニック結晶としてこれまでで最高の値を示している。InGaAsPの大きな光非線形性と高性能共振器の実現により、光メモリー動作を達成した。
この技術の応用としては、光情報処理チップにおけるスイッチやメモリーが考えられているが、メモリー持続時間をさらに長くする必要がある。
また、大規模集積回路を実現するためには、メモリーの集積化やビット列のアドレッシングなどの技術開発が要求される。 |