電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
5月9日080509_01 ローム 半導体集積回路 マイコン・DSP 一般産業用

LSIのレジスタ領域を強誘電体コンデンサで不揮発化することでLSI内部の演算処理状況を保持できる不揮発性ロジック技術


 ロームは、LSIのレジスタに強誘電体コンデンサを設けレジスタ領域を不揮発化することで、電源を切ってもLSI内部の演算処理状況を保持できる不揮発ロジック技術の開発に世界で初めて成功した。

 今回の不揮発性ロジック技術を用い、0・35マイクロメートルCMOSプロセスで8ビット不揮発CPUを試作。CPUの待機時消費電力をゼロにでき、CPUレベルの消費電力を従来のCMOSベースCPUの約70%削減できることを確認した。

 CPUを内部の機能ブロックレベルで電源を遮断する設計にすれば、CPUの消費電力を従来CMOSベースCPUよりも約85%以上削減できるとみている。さらにブロック内部のレジスタ・演算回路レベルで電源を遮断する設計にすることで、CPU消費電力を従来CMOSベースCPUと比べ約95%以上の削減が可能になると期待している。

 これまでの低消費電力化技術であるゲーテッドロック技術は、演算処理を行っていない回路のクロックを停止することで消費電力を削減できるが、漏れ電流を削減できなかった。

 パワーゲーティング技術も演算処理を行っていない回路の電源を遮断することで漏れ電流は削減できるが、レジスタの電源を切れないため、レジスタの漏れ電流は残るという課題があった。これに対し、不揮発ロジック技術はロジック、レジスタの電源をすべて遮断。待機消費電力をゼロにし、レジスタを分離する必要もない。

 CPUをはじめ、DSP、コントローラIC、シーケンサICなど、あらゆるロジックLSIを電源を切ってもLSI内部のデータが消えない不揮発性ロジックLSIにできる。アナログLSIのゲイン調整や抵抗値調整といったトリミングを電気的にプログラムして記憶させることにも使える。

 1年後の量産を目指し、京都本社工場に0.13マイクロメートルプロセスの不揮発性ロジックLSI量産ラインを設置する準備に入った。家電用の4ビット、8ビットマイコンなどから量産する予定。

 開発した技術は、ロームが95年に世界に先駆けて量産を開始した強誘電体メモリーFeRAMで培ったチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)強誘電体技術をロジックLSIに応用。

 演算処理中は強誘電体コンデンサを演算回路から切り離し、電源を遮断するときだけ強誘電体コンデンサを演算回路に接続する独自の強誘電体セパレート構造にしてロジックLSIのレジスタ領域に採用した。

 演算回路に強誘電体コンデンサを追加すると負荷容量となり、LSIのロジック性能と信頼性が損なわれるという従来の課題を解決し、不揮発性ロジックLSIを開発できた。


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