DSC/DVC/携帯電話/PCなど向け小型・大容量化・低SR化・低ESL化を可能にした下面電極形のフレームレス導電性高分子タンタル固体電解コンデンサー「F38シリーズ」

　ニチコンは、下面電極形のフレームレス導電性高分子タンタル固体電解コンデンサ「Ｆ３８シリーズ」の量産を開始した。

　 ニチコンタンタル（滋賀県高島市）に月産能力５００万個体制を敷いた。電極を下面形にすることでフレームレス化でき、素子の体積効率が上がり、小型・大容量化、低ＥＳＲ化、低ＥＳＬ化が可能となった。１６０８と２０１２の２サイズを取りそろえ、高機能モバイル機器向けに供給を始めた。

　 下面電極形導電性高分子タンタル固体電解コンデンサ「Ｆ３８シリーズ」は、高寸法精度、高体積効率、低ストレスパッケージングを実現した独自のフレームレス構造を採用。１６０８サイズのＭケース（１.６×０.８５×０.８ミリ）で最大４Ｖ２２μＦを収納した。

　 従来のフレーム構造品「Ｆ３１シリーズ」の４Ｖ２２μＦ品ではＰケース（２.０×１.２５×１.１ミリ）となり、体積比で６０％小型化した。２０１２サイズのＳケース（２.０×１.２５×０.８ミリ）４Ｖ３３μＦ品ではＦ３１シリーズ（３.２×１.６０×１.１ミリのＡケース）と比べ、体積比で６４％小型化できた。

　 Ｆ３８シリーズＭケース、ＳケースともＥＳＲは２００ｍΩ（１００キロヘルツ）と低く、ＥＳＬもＦ３１シリーズの３分の１に抑えた。

　 定格電圧４―６.３Ｖ、定格静電容量１０―３３μＦ、カテゴリ温度範囲マイナス５５度―プラス１０５度Ｃ。

　 Ｆ３８シリーズを加え、導電性高分子タンタル固体電解コンデンサは「Ｆ３１シリーズ」（定格電圧４―１０Ｖ、定格静電容量１０―１００μＦ、２.０×１.２５×０.９ミリ―３.５×２.８×２.２ミリの３サイズ）、「Ｆ３２シリーズ」（４―１０Ｖ、４７―１５０μＦ、３.２×１.６×１.２ミリ―７.３×４.３×２.４ミリの４サイズ）の３シリーズになった。

　 ニチコンタンタルの同コンデンサ生産能力も、Ｆ３８シリーズの月産５００万個とＦ３１シリーズ、Ｆ３２シリーズの同２００万個を合わせて同７００万個に引き上げ、ＤＳＣ、ＤＶＣ、携帯電話、携帯音楽プレヤー、ＰＣなどの需要増に応えていく。