高機能携帯電話など向け同社従来品Pケースと比べ製品の高さを46％低くし厚さ0.65ミリMAXと超薄型のフレームレス樹脂外装形タンタル固体電解コンデンサ「F95シリーズRケース」

　ニチコンは、厚さ０.６５ミリＭＡＸと超薄型のフレームレス樹脂外装形タンタル固体電解コンデンサ「Ｆ９５シリーズＲケース」の量産を開始した。Ｆ９５シリーズの従来品Ｐケース（２.２×１.２５ミリの２０１２サイズ、高さ１.２ミリＭＡＸ）の６.３Ｖ２２μＦを、Ｒケース（同、高さ０.６５ミリＭＡＸ）に収納して、４６％の薄型化を実現した。月産能力1000万個でスタートし、既存品の同8000万個と合わせて、樹脂外装形タンタル固体電解コンデンサの生産能力を月産９千万個にした。

　樹脂外装形タンタル固体電解コンデンサは、樹脂モールド形タンタル固体電解コンデンサと異なり、リードフレームを介することなく、外部に電極を引き出す独自構造を採用することで低ＥＳＲ化とともに、体積効率の向上を図ることができるため、高機能携帯電話、ＤＳＣ、ＤＶＣなどで採用が進んでいる。

　これら高機能携帯機器などの小型・薄型化ニーズに応え、製品高さを０・６５ミリＭＡＸに抑えた超薄型品Ｒケースをラインアップした。

　薄型素子の成型から焼成までの製造技術を工夫。バラツキが生じにくい樹脂の採用と耐候性を持たせるための樹脂コーティング技術を採用し、２.２×１.２５ミリサイズで製品高さを０.６５ミリＭＡＸに抑えた。

　同社従来品Ｐケース（２.２×１.２５×１.２ミリ、定格電圧６.３―３５Ｖ、定格静電容量１―４７μＦ）と比べ、製品高さを４６％低くした。定格電圧６.３―２５Ｖ、定格静電容量１―２２μＦ、カテゴリ温度マイナス５５度―プラス１２５度Ｃ。

　樹脂外装形タンタル固体電解コンデンサは小型・大容量品の「Ｆ９５シリーズ」のほか、ＰＣカードのバックアップ用やＤＳＣなどに採用されている薄型・大容量品「Ｆ７２シリーズ」（外形寸法７.２×６.０×１.２ミリ、定格電圧４―１６Ｖ、定格静電容量３３―３３０μＦ）、大容量品「Ｆ７５シリーズ」（７.１×３.２×２.５ミリ―７.２×６.０×３.５ミリ、４―１６Ｖ、６８―２２００μＦ）の３シリーズを取りそろえている。

　Ｆ９５シリーズＲケース品は、１６日から千葉市の幕張メッセで開催される電源システム展に出品する。