DCモーターの駆動に必要なフルブリッジ構成の回路を採用した自動車の直噴エンジンに使用されるスワール・タンブルバルブの開閉を行うDCモーター駆動用IC

　サンケン電気は、自動車の直噴エンジンに使用されるスワール・タンブルバルブの開閉を行うＤＣモーター駆動用ＩＣ「ＳＰＦ７３０２」を開発、１１月５日からサンプル出荷を開始する。

　量産出荷は０８年１月から。月産５千個でスタート、０９年末には月産５万個に引き上げる。サンプル価格は８００円。

　自動車の低燃費化を図るため、様々な直噴エンジンが開発されている。シリンダ内の渦流を発生させ、ガス化したガソリンの流れを制御、バルブ開閉の駆動用としてＤＣモーターを使用する。

　これまでは、スロットバルブ用などの大きなＩＣが出力電流の代替用として使用されていた。

　今回、同社が開発した新製品はＤＣモーターの駆動に必要なフルブリッジ構成の回路を採用。定格電流を３Ａにし、低損失な低オン抵抗のパワー素子（ＭＯＳＦＥＴ）４石を１チップ化、小型面実装パッケージに封入した。

　パッケージは、熱抵抗３.２度Ｃ／Ｗ（接合部―ケース間）と放熱性が高い。樹脂部寸法は、１２×７.５×２.５ミリメートル（ＳＰＦ１６Ｐｉｎ）。

　２段階で動作する過電流保護回路を各パワー素子ごとに搭載している。

　【直噴エンジン】空気、ガソリンとも直接シリンダ内に噴射し、シリンダ内で混合し燃焼させる。この空気を吸入する際に開閉バルブなどに使用される。