フルHDのMPEG-2方式の映像データをH.264方式のデータに変換しデータサイズを半分以下に再圧縮するトランスコーダLSI

　富士通はフルＨＤ（１９２０ドット×１０８０ライン）のＭＰＥＧ―２方式の映像データをＨ・２６４方式の映像データに変換し、データサイズをＭＰＥＧ―２の半分以下に再圧縮するトランスコーダＬＳＩ「ＭＢ８６Ｈ５２」を開発、９月１日からサンプル出荷する。サンプル価格は２万5000円。販売目標は０７年度Ｈ・２６４対応ＬＳＩ全体で５００万個。

　新製品は、人が見て顔やゆっくり動く物体など、画質劣化が気になりやすい部分を常時追跡し、該当部分をあまり圧縮せずに高画質となるようにして、それ以外はできるだけ圧縮するというメリハリのある圧縮制御を行う富士通研究所独自のアルゴリズムを採用している。これにより、ＭＰＥＧ―２からＨ・２６４にトランスコードしても同等の画質を保つことができる。

　また、フルＨＤ対応Ｈ・２６４コーデックによる映像圧縮・復元機能を搭載しているため、非圧縮の映像データをＨ・２６４方式で圧縮でき、復元することもできる。

　このＬＳＩは、画質を維持しながらデータサイズを圧縮することができるため、ハードディスクレコーダなど録画機器での録画時間を２.５倍以上に延長できる。また、今後普及が見込まれるホームネットワーク機器で、低帯域におけるフルＨＤ映像伝送などを実現でき、データ量の削減を必要とする機器へ幅広く搭載できる。