携帯電話向け0.8x0.6x0.365ミリの世界最小サイズを実現した境界弾性波採用で中空構造を持たないシングルフィルター

　村田製作所はこのほど、世界最小のシングルフィルターＳＡＦＡＭシリーズの開発に成功した。サンプル価格は５００円/個。

　 同フィルターは、伝搬波として境界弾性波を採用し、ＳＡＷフィルターでは不可欠な中空構造を持たないシンプルなプレーナ型（平板の薄膜積層構造）デバイスの商品化に成功、小型化を実現した。サイズは０.８×０.６×０.３６５ミリと、同社従来品（表面波フィルター）と比べ、面積比で約３１％の小型化を図っている。

　 中空構造を持たないことで、モールド耐性の実力向上を達成し、ＩＣと同等の熱衝撃保証が可能な高信頼性を実現。端子部には、高密度実装に最適な非鉛ハンダ対応ＢＧＡを採用した。アンバランス入力−バランス出力にも対応する。

　 従来のＳＡＷフィルターは、ＩＣを組み込んだモジュールに搭載する際に、アンダーフィルの追加など、ＩＣと同等の信頼性を実現させるためのモジュール構造の検討が必要だった。新製品は、デバイスの高信頼性達成により、モジュール構造検討を簡略化し、開発期間を短縮できる。

　 ＧＳＭ８５０/９００（ＥＧＳＭ）/１８００（ＤＣＳ）/１９００（ＰＣＳ）に対応。今後は、携帯電話以外の無線通信用途にも商品展開していく。