電波プロダクトニュース
060607_03
低コストで量産性に優れた3次元ポリマー光導波路および光パラレルトランシーバ ハイパフォーマンスコンピューティング、データセンター、ストレージ、通信システムでの情報処理量増大への対応のため、チャンネル当たりの信号レートを増やし、複数のチャンネルを使ってのスループット増大が図られている。銅線伝送規格10GbE CX4では10Gbpsの伝送を、1チャンネル3.125Gbpsの信号レートで、それぞれ送受信を4チャンネルで行う。銅線は、コストパフォーマンスは優れるが、伝送距離が20メートルに限られる。マルチモード光ファイバで200から300メートルの低コストパラレルリンクのアプリケーションが増加し、短距離銅線伝送で使用される電気コネクタと同じインターフェイスを有した光変換4チャンネルの双方向通信を行うパラレルトランシーバが、伝送距離拡張に必要とされてきている。 光パラレルトランシーバは、光素子とファイバの結合に重要な設計上のポイントがあり、通常、波長850ナノメートルのVCSEL(面発光レーザー)が使用されるが、結合損失と伝搬損失を少なくし、クロストークを小さく、VCSELとファイバおよびファイバとPDを90度の角度で接続するなど、構造的な要求がある。今回の開発品は、富士通コンポーネントの精密金型技術、精密加工技術と、富士通研究所の光学設計技術、プロセス技術を融合し、射出成形によるローコストで量産性の高いポリマー3次元光導波路の開発に成功、これを搭載した光パラレルトランシーバを高速信号技術により開発したもの。 ポリマー3次元光導波路を搭載した光パラレルトランシーバは、光学機能を統合し、構造と組立てプロセスの簡易化を実現。ポリマー3次元光導波路はチャンネル数変更、ピッチ変換などにフレキシビリティがあり、トランシーバ機能の拡張、統合に威力を発揮する。今回の4チャンネル双方向通信用光パラレルトランシーバは、1チャンネル3.125Gbpsの信号レートで4チャンネルを用い、10Gbpsでの300メートル通信を確認済み。 光導波路の仕様は、曲率半径4ミリメートル、導波路長10.5ミリメートル。材料はポリマー、マイクロレンズ一体成形。光結合ロスは、光素子とファイバ間トータルで1.6デシベル―2.5デシベル。 光導波路応用光トランシーバの仕様は、光ケーブルは12芯リボンケーブル光ファイバ(50/125マイクロメートル GI―MMF)。光チャンネルは送受信各4チャンネル。光波長850ナノメートル。伝送速度は3.125Gbps/CH以下。伝送距離300メートル以下。動作温度は0―70度C。消費電力0.9ワット。 富士通コンポーネントは、今回の技術確立で、コンピュータ内部やネットワーク構築に必要なコネクタや光デバイスの研究開発、製品化を進めていく。 |
|
全新製品情報
|
一般電子部品:製品別リスト
|
|
電子デバイス:製品別リスト
|
電子デバイス:用途別リスト|
| ホームページへ戻る
|
次データへ
|