電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
5月25日060525_01 松下電器 半導体素子 光半導体 通信インフラ用

光出力2ミリワットを出せる表面プラズモン共鳴を利用した面発光レーザー


 松下電器は、表面プラズモン共鳴という物理現象を利用した独自の表面プラズモンミラー構造の面発光レーザーの開発に成功した。

  試作した表面プラズモンミラー構造の面発光レーザーで光出力2ミリワットと、近距離光通信で必要な1ミリワット以上の光出力を得ることができた。光出力とトレードオフの関係にあるしきい値電流もこれまでの半分の0.5ミリアンペアに抑えた。

  金属表面にナノメートルオーダーの周期的な微細開口を形成することで、金属表面に生じる電子の集団的な振動波「表面プラズモン」が光と強く共鳴。通常は通り抜けることができない光の波長より小さな開口を光が通り抜けることができる表面プラズモン共鳴による光透過を世界で初めて半導体レーザーに応用できることを実証した。

  開発した面発光レーザーは、昨春、同社が開発し06年の商品化を目指しているAlGaAs(アルミニウムガリウムひ素)系の850ナノメートル帯面発光レーザーの半導体多層膜上に厚み200ナノメートル、ホール径200ナノメートルの銀の金属ミラーを550ナノメートルピッチで正方向格子状に周期的に電子ビーム露光で形成した。

  この独自の表面プラズモンミラーの表面プラズモン効果が最大になるよう銀ミラーの厚みを400ナノメートルに制御。銀の酸化を防ぐため銀ミラーをシリコン窒化膜で保護した。共振器を挟むミラーの反射率が同じになるよう表面プラズモンミラーのないミラーの半導体多層膜を表面プラズモンミラーのある半導体多層膜の倍のペア層数にした。

  同社では安価なプラスチックファイバ通信やシステムLSIチップ間の光インターコネクションなどの大容量近距離光通信用発光デバイスに表面プラズモン共鳴を応用できるとみて、表面プラズモンミラー構造の面発光レーザーの商品化を目指していく。

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