電波プロダクトニュース
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超微細竹繊維を使用したスピーカ振動板 パナソニック エレクトロニックデバイスは、同志社大学竹の高度利用研究センター(センター長=藤井透工学部機械システム工学科教授)と共同で超微細竹繊維を使ったスピーカ振動板を開発した。 竹の高度利用研究センターが開発した超精密砥石による叩解で軽くて、強い竹の特性をそのまま維持した繊維径数十―数百ナノメートルの超微細竹繊維を取り出す独自工法を採用することで軽くて、硬く、高い剛性が求められる高音質スピーカの振動板材料に竹繊維を使用することが可能になった。 竹繊維の取り出しには化学的蒸解工法でパルプ化する方法があるが、竹の成分組成であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンのうちリグニンが著しく減少し竹の剛直でしなやかな部分がなくなり、スピーカの振動板には適さなかった。 パナソニック エレクトロニックデバイスで今回の超微細竹繊維だけで作った振動板を試作し、従来の針葉樹パルプ使用の振動板スピーカより25%速い2380メートル/秒の業界最高レベルの音速を確保。 内部損失(tanδ)は0.035から0.033に抑え、弾性率は同1450Mpaから2100Mpaに高めた。これらにより広く用いられている針葉樹パルプ振動板を上回る自然で広い周波数帯域の高音質再生を実現した。 針葉樹が生育に40-60年かかるのに対し、竹は1年で生育。特性も一定でばらつきの少ない竹繊維が安定的に得られるため持続的生産が可能な上、資源・環境保護の観点からも有用な素材として注目されている。 パナソニック エレクトロニックデバイスは今回の開発成果をもとに、竹繊維だけのスピーカ振動板の量産化に向けて同センターの協力を得ながら量産性に優れた流体圧による製造法を導入した設備投資を行う。車載、オーディオ用スピーカとして9月に竹繊維振動板を用いたスピーカユニットのサンプル出荷を開始。07年12月から量産に入る予定。コストは針葉樹振動板に比べ当初は20%ほど高いが量産が軌道に乗れば同程度にできるとみている。 |
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