電波プロダクトニュース
060327_03
マスク用EB描画装置向けEB高速偏向回路用D/Aコンバータ 国内半導体メーカー11社が出資する技術コンソーシアム・半導体先端テクノロジーズ(Selete、茨城県つくば市、渡辺久恒社長)、半導体製造の回路原版であるフォトマスク大手の大日本印刷、凸版印刷、HOYA、マスク製造に必要な電子ビーム(EB)描画装置大手のニューフレアテクノロジー、日本電子の6社は、ハイブリッドICで高い技術を持つ日本アビオニクスと共同で、マスク用EB描画装置に用いる小型・高性能なEB高速偏向回路用D/Aコンバータ(DAC)を開発した。これにより、回路線幅65ナノメートル以降での半導体マスクの生産性を向上し、マスク価格の抑制につなげる。 同製品では、従来のEB描画装置用DACで、トランジスタや抵抗など、個別のディスクリート部品で構成していたところを、より小型化や省電力化が可能なハイブリッドIC技術を利用して、名刺大の1パッケージにまとめた。EB描画装置の処理速度に関係するスイッチング遷移時間は、当初要求の2分の1となる約4ナノ秒で、分解能は18ビット(17ビット精度)など、回路線幅65ナノメートル以降のマスク製造に対応する、高性能、高信頼性も確保している。 半導体の微細化で、マスクに描画する回路パターン数が増大・複雑化し、その生産性が低下している。マスク価格も高騰しており、回路線幅65ナノメートルでは、90ナノメートルの1.8倍にもなる意見もある。 Seleteとマスク関連5社では、01年度からEB描画装置の基幹部品である、デジタル信号をアナログ出力に変換するDACと電子ビームを偏向する偏向アンプから成る「DAC/AMP技術」の高速・高性能化を進めてきた。03年度にアンプ側での開発を完了し、04年度からは、DACの小型化によるさらなる高速化開発を進めており、航空・宇宙分野向けハイブリッドICで高い実績を持つ日本アビオニクスに開発委託することにより、今回の成果につながった。 さらに、大手EB描画装置メーカー2社が共通のDAC仕様を採用することで、装置メーカーの開発負担軽減と、ハイブリッドICメーカーの供給数確保を実現できる。 「現在のマスク製造は、1枚当たりロジック系で十数時間、DRAMなら30時間にもなる。今回のDAC開発で、製造時のプロセス時間短縮につなげ、マスクの価格抑制につなげたい」(Selete)という。 |
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