電波プロダクトニュース
060221_01
有機発光トランジスタと有機スイッチングトランジスタを同一基板上に作り込んだ8×8ドットアクティブマトリクスディスプレイパネル
アクティブマトリクス駆動で有機発光トランジスタを安定的に発光させることができ、丸めたり、折りたためたりできる電子ペーパーやポスターディスプレイなど将来のフレキシブルディスプレイとして期待されている有機発光トランジスタの早期実用化に道を開いた。 試作パネルは発光有機材料にルブレンを用いているため、黄色に発光。最大発光輝度約1千カンデラ/平方メートル、発光外部量子効率約0.8を安定して得た。今後、ゲート絶縁膜、基板も有機材料に置き換え、有機発光トランジスタ構造の最適化などを図りながら試作パネルで約1ミリアンペアの消費電流、約80ミリワットの消費電力を抑え、実用化に近づけていく。 表示デバイス素子となる有機発光トランジスタは、表面改質したシリコン酸化膜のゲート絶縁膜表面にテトラフェニルピレン(TPPy)にルブレンをドープした共蒸着膜を形成。ゲート電極にアルミ合金、ソース、ドレイン電極には金を用いた。 有機発光トランジスタをスイッチングする有機スイッチングトランジスタは、高移動度のペンタセンをトランジスタ材料に採用。両トランジスタを同一シリコン基板上に作り込み、画素メモリーキャパシタとともに1ドット(1.5ミリ角)とし、2ミリピッチで8×8ドット形成した。 材料の製膜前にゲート絶縁膜を改質してTPPy有機半導体層の配向を制御することにより、安定した高効率発光を得た。また、凹凸の少ない高反射率ゲート電極を開発。有機半導体層の下に配置し、トランジスタ内で発光した光を効率良く外部に取り出した。 有機ELディスプレイは有機発光素子と駆動トランジスタが別デバイスになっているのに対し、有機発光トランジスタは単純素子構造で発光素子と駆動トランジスタを一体にした同一デバイスのため、部品点数を大幅に削減できるなどの特徴を持つ。 今回の3社と京大にNTT、日立製作所を加えた包括的産学融合アライアンスでも、02年から次世代有機系エレクトロニクス・デバイス革新技術として、有機発光トランジスタを研究開発。今回の試作でも同研究開発成果の有機発光トランジスタ技術と、同アライアンスと連携する安達千波矢千歳科学技術大学・九州大学教授開発の横型有機トランジスタ技術を用いた。 |
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