電波プロダクトニュース
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技能研修所、人材育成に大きな役割。 アルプス電気の技能研修所(宮城県古川市塚目字北原136―1、アルプス電気北原工場内、藤田武人所長)は、金型や製造における技能の伝承と、同社各事業部をはじめ海外関連会社や協力会社の人材育成を目的に1999年4月に開講され、今年五周年を迎える。今年3月末までに研修修了者数は1124人、研修プログラムは31講座を数え、技能技術者養成のための「人材育成の道場」として重要な役割を担っている。 同社は市場ニーズをとらえた最新製品の創出には、新技術の習得だけでなく、その基礎となる知識・技術・技能の基盤整備が欠かせないと考えている。これらの技術や技能は個々の技術者の中に「経験」という形で蓄積され、人から人へ伝承される。こうした技術・技能の集積と伝承の場として、技能研修所は開講された。 研修課程には、開講当初からスタートした金型技能研修、大卒新人体験学習をはじめ、組立技能研修、3D―CAD研修、CAE射出成形、金型基礎研修などさまざまなものがある。これまでの研修修了者数は合計1124人で、このうち協力会社が120人、海外研修生が74人を占め、講師数は81人(客員講師78人、研修所スタッフ3人)。研修期間は、標準6カ月、最短2日間となっている。 技能研修所は、同社事業開発本部(谷本勲常務取締役事業開発本部長)の技術支援部に属し、東北自動車道古川インター至近の北原工場の一角に立地する。4階建て、総面積1710平方メートルで、浴室、談話室などを完備。ドラフター、2D―CAD、図書/PC室、講義室などを用意している。 なお、北原工場は同社の生産技術開発のコアとなる拠点で、ナノ・マイクロ波加工技術開発や先端実装技術開発、金型設計・製造などの役割を担う。 同研修所では、人材をいかに育てるかに注力している。「ものづくりは人づくり」をコンセプトに、「心」「技」「体」を研修運営の柱とする。「心」は、ものの考え方、自らの生き方を含めたミーティングなどによる心身教育、「技」は、学科教育、「体」は実践を主体とした実技を表する。この3つの柱によって、個人で異なる己の「感性」を目覚めさせ、研ぎ澄ましていく。 ◆報告書1万枚超す 研修プログラムは、誰が教えても同じ進め方ができるようにと共有化し、教科書は人に伴った技能を可能な限り明文化した。研修生はプログラムと教科書に沿って研修を進め、研修報告を日報の形で残していく。現在までに研修報告書は1万枚を超えており、「ここには重要なキーワードが書き込まれ、大きな財産となっている。これをもとに、現在の研修プログラムや教科書の完成度をさらに高めていく活動に取り組んでいる」(藤田所長)。 研修内容は、例えば3D―CAD研修では、3次元CAD6台を配備し、2回にわたり計5泊7日の研修。研修所スタッフ自前の公認インストラクターによる、使えるツールとしての効果的な研修を、社内・社外合わせて進めている。 また、現在は今春入社のアルプス電気、アルパインの大卒新入社員の体験学習を実施中である。 ◆しっかりフォロー 藤田所長は、同研修所の役割を「プリズム」に喩える。無色透明の光が、プリズムという物体を通して、7色の輝きを放つ。同研修所から排出されていった数々の研修生が、キラキラと煌いて世に出て行く姿をみて、「人は黙っていては育たない、しっかりフォローしていかなくてはいけない」(藤田所長)と実感するという。 今後の展開としては、設計の3次元CADデジタル化に伴い、金型の設計・製作を考慮したデジタルマニュファクチャリング化を促進するため、設計者に対する「金型基礎研修」に注力していく。 さらに、技術者専門研修だけでなく、今年3月から購買部門、4月からは営業部門に対し一般コースとして「金型基礎研修」を開講。金型技術は同社コア・テクノロジーの一つであり、その継承体制をますます磐石なものとしていく方針だ。 |
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