電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
3月17日040317_05 フォスター電機/三菱製鋼 変換部品 音響部品

世界初のSP用「超薄肉純マグネシウム振動板」開発に成功。



 フォスター電機はこのほど、三菱製鋼と共同で、最小厚0.03ミリメートルまでの、連続温間圧延による純マグネシウム箔のコイル圧延材を用いた、スピーカー用の「超薄肉純マグネシウム振動板」の開発に世界で初めて成功した。従来のマグネシウム合金製振動板と比較して、軽量かつ振動減衰性能が2倍を超えるという性質から、ひずみが少なく、より広帯域においてピーク感や金属固有の残響音が少ない良好な音質を得られる。

フォスター電機では、今年秋をメドに、この振動板を使用したスピーカーの量産化を計画する。 これまで、スピーカー用振動板には、紙、金属、プラスチックなどの素材が使用されており、金属系ではアルミ合金、チタンなどの軽金属が、高い剛性と振動板を伝播する音速の速さにより、ツイーターを中心に使われてきた。半面、金属が持つ振動減衰性能の低さから、ピーク感や金属固有の残響音が有るなどの欠点があった。アルミ、チタンに比べて、より軽量、高剛性で振動減衰性能が高いマグネシウムは、薄肉化や成型などの加工が難しかったことから、最近になってマグネシウム合金を用いた薄肉の振動板が開発されてきている。純マグネシウムは、マグネシウム合金よりもさらに加工難度が高い材料であり、今回これらの技術的な課題を克服したもの。

腐食性も解消  フォスター電機は、マグネシウム系合金の中で、最も軽量かつ、高い振動減衰性能を持ち、振動板として理想の金属とされる、純マグネシウム(純度99.9%)に着目し、三菱製鋼の協力を得て、同社の持つ特殊連続温間圧延技術や、蓄積された金型設計、音間深絞り加工技術に加えて、プレス成型前の箔材に特殊樹脂の極薄膜をコーティングして、そのプレス成型時の潤滑効果により、絞り性を向上させる技術を採用し、初めて純マグネシウム振動板の振動板の成型に成功した。

この特殊樹脂の極薄膜コーティングは、音質を損なうことなく、マグネシウムの欠点とされる腐食性を解消する防錆被膜機能も兼ね備えるもので、三菱製鋼により特許出願中。 今回開発された振動板は、厚さ0.05ミリメートルの純マグネシウム箔を採用した、25ミリ口径のドーム型ツイーター振動板で、マグネシウム合金(AZ31)と比較して、高い剛性と振動板を伝播する音速の速さを損なうことなく、振動減衰性能が2倍を超える、優れた特性を持ち、従来のアルミニウム合金、チタンと比較すると、4―5倍の振動減衰性能を持っている。

素材の特性をさらに生かすため、形状には非軸対象形状を採用、高域振動のピークを分散させ、周波数特性のフラット化および、低歪化により、音質を向上させた。 同社では今後、純マグネシウム振動板を、より忠実な音の再現が求められる、SACD、DVDオーディオなどの、高級ハイファイシステムや、スーパーツイーターなどの用途へ展開していく。また、純マグネシウムは、スピーカーの主要部品である振動板以外では、ボイスコイル用のボビンにも有効であるため、ボイスコイルボビンとしての開発も進めている。


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