電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
2月12日 040212_01 東芝 半導体集積回路 メモリ 情報家電用

メモリーチップ



 東芝は携帯電話向けMCP(マルチチップパッケージ)として、メモリーチップを業界最多の9層まで積層可能な量産技術を確立した。今年5月にも、四日市工場で量産を開始する。同社では、今回の70μmウエハー薄膜研削技術を用い、9層MCPに加え、さらなるパッケージ厚の薄型化にも適応、今年中に1.2、1.0ミリメートル厚の商品化を行う計画である。

携帯電話は、メガピクセルカメラやテレビ電話、動画メールなどのマルチメディア機能の搭載でメモリー容量が、1年で2倍から2.4倍と急激に拡大、ICの集積化だけでは間に合わず、チップの積層技術が重要となっている。 現在では、ベースバンドプロセッサー、アプリケーションプロセッサー向けにそれぞれMCPが搭載され5層、6層での提供が主流となってきた。

今回同社は、ICウエハーを業界最薄の70μmまで削り、ワイヤーボンディングのばらつきの改善、多重ボンディング技術を確立することで、携帯電話に求められる厚さ1.4ミリメートルのパッケージサイズに9層積層を実現した。9層までの積層に対応することで、14×11ミリメートルのパッケージ面積で最大メモリー容量1.6Gビットまで可能になった。また、ウエハーの薄厚研削技術で、より薄型のパッケージが実現できる。

薄厚研削技術は、85μm以下になると急激に大きくなる、ウエハーの反りを搬送時の保護膜の材料改良で強度を上げ、70μmまで薄くできた。今後「この技術によりまず60μm化を今年中に行い、さらに50μmを実現するための新技術開発を進めている」(メモリ事業部モバイルメモリ・デバイス技術部山本和博参事)。

バラツキ抑える ワイヤーボンディング技術は、ワイヤーのばらつきを発生させる複数のパラメーターを解析手法で見つけ出し最適化することで、ばらつきを抑え、1パッケージ中に170本のワイヤーを張ることができた。また、チップごとにボンドする位置を替える入れ子構造を採用することで、ワイヤー間の干渉防止や安定化を確保した。今回は上下間隔が150μm。

今回製品化したのは、8MSRAMと128M・SDRAM、384M・NOR型フラッシュ(128M×3チップ)、256M・NAND型フラッシュの6チップ9層構造。コントローラーとメモリーを結ぶデーターバスを、SDRAM、NOR型フラッシュメモリーの3種類のトリプルバスに対応し、データの高速処理を実現する。周辺回路は2層配線。

同社はMCPの提供を1999年から開始、現在では月産500万個で量産している。「半数以上が3チップ積層以上の多層MCP。NAND型/NOR型フラッシュメモリー、疑似SRAM、SRAMを自社でラインアップしていることが強み」(同社)としている。


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