電波プロダクトニュース
040105_01
ドルビーバーチャルSP専用LSI 三洋電機セミコンダクターカンパニーは、DVDやデジタル放送で採用されているマルチチャンネルオーディオを、2本のスピーカーやヘッドホンで臨場感ある音に再生するドルビーバーチャルスピーカー専用LSI「LC83210W」を開発した。デジタルテレビ、DVDプレヤーといった用途にサンプル出荷中。 ドルビーバーチャルスピーカーは、ドルビーデジタルやMPEG2―AAC、DTCなどマルチチャンネルでDVDに記録されたり、デジタル放送で送られてくるオーディオソースを、2本のスピーカーで再生するためにLSIでバーチャル処理する。これにより、あたかもマルチチャンネルのスピーカーで聴いているように音場を再現できる。 頭部伝達関数使う バーチャル処理は、頭部伝達関数という計算式を用い、スピーカーから左右の耳に到達する音の時間、強弱などで、音がどこから聞こえてくるかを決める。2本のスピーカーを使った場合、あたかも後方にスピーカーがあるような音響効果を、LSIで信号処理して再現し再生する。ヘッドホンの場合、横にあるイヤホンから音が広がるような処理を行う。 LC83210Wは、豪州レイク・テクノロジー社が開発したコア・アルゴリズムを用いた。具体的には、1出力チャンネルの片方の耳への経路に対し、7000タップのFIRフィルターを使用しており、処理としては7000×2×5チャンネルの高速演算をリアルタイムで行う。 また、再生するソースに応じて、ライブなど音質を重視する場合は基準モード、映画など広い音場を再現するワイドモードと、切り替えることもできる。 今回開発したLC83210Wのシステム構成は図の通り。DVDやデジタル放送から入力されたマルチチャンネルオーディオ信号は、ドルビーデジタルデコーダーで解読され、5・1チャンネル信号でLC83210Wに入力する。2チャンネルオーディオ信号も入力できる。 LC83210Wは、これらの信号を2本のスピーカーで5・1チャンネル再生と同等の臨場感が得られるように信号処理し、出力する。「従来、DSPでソフト処理していたシステムに比べ、基板実装面積で5分の1以下、消費電力は3分の1以下にできる」(同社)という。さらに、ドルビーデジタルデコーダーをワンチップに取り込んだLSIも開発中だ。 |
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