超小型IoTモジュールに最適な4.5ミリ/10ミリ角の32ビットマイコン

　ルネサスエレクトロニクスは３０日、３２ビットマイコン「ＲＸファミリ」のメーンストリームである１２０ＭＨｚ作の「ＲＸ６５１グループ」のラインアップを拡充し、従来の１００ピンから１７７ピンに、今回６４ピンパッケージを新たに追加した。４.５ｍｍ角のＢＧＡパッケージと、１０ｍｍ角のＱＦＰパッケージの２種類を用意している。

　ＩｏＴ化が進み、あらゆるアプリケーションに通信機能が付加される今、Ｗｉ―Ｆｉや光通信、ＬＴＥなどの通信用モジュールは小型化要求が高まっている。一般的に、大容量メモリーの搭載と、小型パッケージはトレードオフの関係にあり、両立が難しいとされているが、今回、この小型パッケージに最大２ＭＢのフラッシュメモリーと、最大６４０ＫＢのＳＲＡＭを搭載した。これにより、通信用ソフトウエアも余裕をもって格納できる。

　さらに、ＲＸ６５１は、トラステッドセキュアＩＰやメモリープロテクト機能を搭載する強固なセキュリティにより、出荷後のファームウエアのアップデートも安全に行うことができる。

　産業オートメーションやビルディングオートメーション、ホーム・家電用機器に向けた、超小型通信用モジュールに最適のほか、小型の環境センサーやモーションセンサー用モジュールにも適している。

　今回６４ピンパッケージが追加されたＲＸ６５１シリーズは、４０ナノメートルプロセスを使用し、ＲＸｖ２コアを搭載。１２０ＭＨｚで５２０ＣｏｒｅＭａｒｋを達成し、３５ＣｏｒｅＭａｒｋ／ｍＡの高い電力性能を実現。

　トラステッドセキュアＩＰの内蔵で、暗号化鍵の保護やＡＥＳ、３ＤＥＳ、ＳＨＡ、ＴＲＮＧなど暗号のハードウエアアクセラレータ処理により、安全に情報の管理が可能。

　また、バックグラウンドオペレーションとＳＷＡＰ機能をサポートするデュアルバンクフラッシュに対応。これらのセキュリティ機能により、ユーザーはＩｏＴデバイスをサイバー攻撃の脅威から守り、出荷後のファームウエアアップデートを安全に実現する。

　ＵＳＢ、ＣＡＮ、ＳＤホスト／スレーブインターフェイス、クワッドＳＰＩなどの多様な通信用インターフェイスに対応しているため、工場内外から機械の稼働状態を監視したり、製造の指示や機器設定の更新も可能。

　新製品は、量産出荷を開始しており、１万個一括購入時の参考価格は、１個４.５８ドル（税別）から。既存のＲＸ６５Ｎのターゲットボードとスタータキットを流用できるため、統合開発環境のｅ―ｓｔｕｄｉｏと合わせて使用することにより、すぐに開発に着手できる。

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