190509_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
5月9日 |
190509_01 |
STマイクロエレクトロニクス |
半導体素子 |
半導体センサー |
一般産業用 |
加速度センサーと高精度温度センサーを集積したMEMSチップ
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STのMEMSチップ「LIS2DTW12」 |
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「Unico GUI」の画面イメージ |
【はじめに】
様々な産業分野でIoTの利活用が広がり、各種電子部品の需要拡大が続いている。中でもセンサーはIoTのみならず、自動車や産業機器、民生機器など幅広い分野の機器に搭載されるキーデバイスだ。近年ではセンサーで取得した情報にAI技術を組み合わせ、さらなる生産性向上に活用する動きが加速している。そのため高精度なセンサー技術に加え、センサーの設定や取得データ活用を円滑に行えるソリューションが求められている。
STマイクロエレクトロニクスはセンサーソリューションへの取り組みを強化しており、新たなソリューション開発を加速している。このたび、加速度センサーと高精度温度センサーを集積したMEMSチップと6軸モーション・センサーの検知機能設計を簡略化するグラフィック・ユーザー・インターフェイス(GUI)を開発した。
【加速度センサーと高精度温度センサーを集積したMEMSチップ】
STが開発した3軸加速度センサーと温度センサーを1チップに集積したMEMSチップ「LIS2DTW12」は、低消費電力で高い温度検出精度を実現した。物流のトラッキングシステムやウエアラブル機器、IoT端末など、スペースとバッテリ容量に制約がある機器に最適だ。
温度検出精度は0.8℃と一般的なスタンドアローンの温度センサーと同等の精度。温度補正機能の向上に加え、センサーの優れた精度を活用することで65通りのユーザーモードという優れた柔軟性を実現しているため、開発者はアプリケーションの使用条件に応じて消費電力とノイズを最適化することができる。最大±16Gの選択可能な加速度検出範囲を持つとともに、1.6Hz−1600Hzの出力データ・レートで加速度を測定できる。
LIS2DTW12は高さ0.7mmと、他の複合センサーよりもパッケージの高さを約30%低減するとともに、優れたバッテリ容量による長時間駆動が可能。50nAのパワーダウンモード、1μA以下まで低減できる複数の動作モード、加速度記号を処理する専用の内部エンジン、メーン・コントローラの負担を軽減する32レベルの大容量FIFOなど、省電力機能を備えているため機器の充電回数を減らすことができる。
高速のI2 C/SPIポートを介して、16ビットの加速度データと12ビットの温度データを提供するとともに、必要に応じて1つのデータに変換することもできる。モーション・エンジンは自由落下およびウエイクアップの検知、シングル・タップ/ダブル・タップの認識、活動中/停止中、静止中/動作中および縦向き/横向きの検知、6軸/4軸方向検知が可能だ。
【モーション検知機能の設計を簡略化する6軸モーション・センサー用GUI】
STは最新の6軸モーション・センサーに搭載されたステート・マシン(FST:Finite State Machine)ロジックおよび機械学習コア(MLC:Machine Learning Core)ロジックの設定を簡略化するGUI「Unico GUI」を発表した。FSMロジックによってジェスチャおよびモーション認識アルゴリズムをセンサー内部で直接実行できるため、常時動作による利便性の向上と低消費電力化を可能にする。MLCロジックは機械学習分類機能を搭載しており、リアルタイムでモーション認識と振動パターン認識を常時動作させることができる。
Unico GUIを使用してモジュールの内部レジスタと組込みのFSM/MLCロジックを設定することにより、独自のモーション認識アルゴリズムを迅速かつ簡単に作成することができる。また、このGUIはモジュール内の加速度センサーおよびジャイロセンサーのデータに加え、地磁気センサーなどの外付けセンサーからの入力を組み合わせることも簡単にできるため、コンテキスト認識機能のさらなる向上が可能だ。
【最後に】
IoTの普及とともにエッジ・コンピューティングの活用も拡大している。データ量の軽減やセキュリティ確保、リアルタイム処理などの観点からエッジ・コンピューティングへの関心が高まっており、今後エッジ側でのデータ収集・分析・処理が増えていくと見込まれる。高精度なデータ収集とAIによる分析を可能にするには、高精度なセンサーのみならず、機能設計を簡略化するなどのソリューションが必要。STはセンサー技術の高度化とともに各種ソリューションを拡充し、幅広い産業分野の技術革新に貢献していく。
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