180803_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
8月3日 |
180803_01 |
東京大学 |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般産業用 |
世界一の低ノイズを実現した有機トランジスタ
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有機半導体単結晶 トランジスタの模範式(a)と 光学顕微鏡像(b) [引用:東京大学] |
東京大学大学院新領域創成科学研究科の竹谷純一教授らは、世界で最も低ノイズの有機トランジスタの作製に成功した
有機トランジスタには、定常状態においても「わずかな電流の揺らぎ=ノイズ」が必ず存在し、このノイズは信頼性や安定性といった動作性能を低下させる大敵。竹谷教授らは、まず、ノイズの精密測定とその原因となる電荷のトラップ密度の精密評価を可能にする技術を開発した。そして、有機トランジスタのトラップ密度を丹念に調べた。
その結果、有機トランジスタを構成する有機半導体とゲート絶縁体の界面に存在する微少なポテンシャルの揺らぎに起因して、有機半導体にわずかに存在するエネルギー障壁の浅いトラップでさえもノイズの原因になることを突き止めた。
そこで、トラップ抑制のため界面に配置した分子膜の品質を上げ、界面を制御してトラップに捕獲されない電荷伝導機構であるバンド伝導を高めることでノイズを低減し、ほかの有機トランジスタと比較してノイズレベルが圧倒的に低い有機トランジスタの作製に成功した。
有機半導体をインクに用いて印刷で作製できる有機トランジスタは、低ノイズ化が進んだことで、IoT社会に必須の、安価で高感度なセンサーデバイスの実現に大きく貢献するものと期待される。
有機トランジスタ
有機半導体を用いたトランジスタをいう。ゲート電圧をかけるとソース電極から注入された電荷(ホールまたは電子)が有機半導体とゲート絶縁体の界面に蓄積され、ソース電極からドレイン電極へ電流が流れるようになる。トランジスタは、デジタル論理演算回路や信号増幅回路における最も基本的な素子の一つ。
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