レンズレスで樹脂、ガラス越しの検知が可能な焦電センサー「PLシリーズ」の製品ラインナップを強化

トーキンの焦電センサー

　トーキンはレンズレスで樹脂、ガラス越しの検知が可能な焦電センサー「ＰＬシリーズ」の製品ラインアップを強化している。厚みがわずか１.７ミリメートルの超薄型で高感度の表面実装タイプ。現在、検知距離最長２０センチメートルと同２メートルの製品を開発しているが、今後同５メートルまで距離を伸ばした製品、さらにはモジュールの製品を開発する計画。セキュリティや家電製品を支える電子部品として用途開拓に弾みをつける。

　焦電センサーは人体などから発する赤外線を圧電セラミックが吸収し、その温度変化によって電荷を生じる焦電効果（パイロ効果）を利用して、人などの動きを検知するセンサー。同社は圧電セラミックを材料段階からプロセス、評価まで一貫した製造技術を駆使。

　焦電効果は温度変化によって誘電体の自発分極（表面電荷）が変化するため、同社ではラインアップしている焦電材料からさらに自発分極性の高い焦電材料を開発し、高感度の焦電センサーを実現したもの。

　サイズは５×４.８×１.７ミリメートルと小型、薄型。視野角は±６０ｄｅｇ。数μＡの低消費電流駆動で優れた耐高周波電波性能を有している。また、焦電材料は、鉛フリーリフローはんだ付けの高温にも特性劣化しない特徴を持つ。

　現在、検知距離が最長２０センチメートルと同２メートルの「ＰＬ−Ｎ８２３−０１」を販売。高密度ポリエチレンを材質としたカバーを有する。新たに開発するのは、５メートルの距離まで検知できるレンズ付きの「ＰＬ−Ｑ８７３−０１」。レンズがフラット型であるためカバー材が不要。

　さらに周辺部材および回路を付けたモジュール製品としての開発も行う。

　スマート家電、ＨＥＭＳの本格的な普及が期待されているなか、テレビやモニター、照明、エアコン、さらにはセキュリティ機器、温水洗浄便座などにはスマート化が要求されている。人の移動、不在・滞在状況に合わせてＯｎ−Ｏｆｆや稼働の状態切り替えをするには優れた人感センサー（人の動きを感じ取るセンサー）が必要。

　同社では製品ラインアップを強化することで、幅広い分野に柔軟な提案活動を展開していく。