QR（疑似共振）フライバック方式のMOSFET製品「700v　CoolMOSP７ファミリー」を開発

インフィニオンのＭＯＳＦＥＴ製品 「７００Ｖ　ＣｏｏｌＭＯＳ　Ｐ７ファミリー」

　独Ｉｎｆｉｎｅｏｎ　Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓは、ＱＲ（擬似共振）フライバック方式の現在および今後のトレンドに対応すべく、ＭＯＳＦＥＴ製品「ＣｏｏｌＭＯＳ」の新ファミリーとなる「７００Ｖ　ＣｏｏｌＭＯＳ　Ｐ７ファミリー」を開発した。

　新ファミリーは、現在使用されているスーパージャンクション技術を凌ぐ性能向上をもたらし、スマホ用、タブレット用充電器やノートＰＣアダプタなどのソフトスイッチング方式で強みを発揮する。さらに、ＴＶアダプタや照明、オーディオ、補助電源で高速スイッチング、高電力密度設計をサポートするとともに、フォームファクタの改良により、これまでにない薄型なデザインを可能にする。

　また、競合品と比較してスイッチング損失（ＥＯＳＳ）を２７％から最大５０％低減。フライバック方式の充電器に使用した場合、最大３．９％の効率向上につながる。また、デバイス温度は最大１６℃低下する。従来製品の６５０Ｖ　Ｃ６と比較した場合、２．４％の効率向上とデバイス温度を１２℃低減することが可能になる。

　７００Ｖ　ＣｏｏｌＭＯＳ　Ｐ７ファミリーはツェナーダイオードの内蔵によりＥＳＤ耐性を高め、クラス２（ＨＢＭ）までのＥＳＤ耐性を実現。顧客のメリットとして、組立て歩留まりの向上により生産関連の欠陥の減少につながり、最終的に製造コストが削減される。

　同ファミリーは、使い勝手を考慮に入れて、ＶＧＳｔｈ　３Ｖ、かつ、±０．５Ｖという極めて厳しい許容誤差で開発された。そのためデザインインが容易であり、かつ、より低いゲートソース電圧を使用できるため、より駆動しやすく、アイドル損失の低減につながる。特に価格要求の厳しいマーケットでコストパフォーマンスを高め、顧客の製品競争力向上に貢献する。

　７００Ｖ　ＣｏｏｌＭＯＳ　Ｐ７ファミリーは現在、標準的な品種として、ＲＤＳ（ｏｎ）　３６０ｍΩ―１４００ｍΩ品をＩＰＡＫ　ＳＬ、ＤＰＡＫ、ＴＯ−２２０ＦＰのパッケージで供給している。このスーパージャンクション技術による対応ＲＤＳ（ｏｎ）の範囲が、近々、他の品種によって補完されるとともに、インフィニオンの新たなパッケージを採用した品種も導入される予定だ。