高速伝送対応ハイスタックタイプの0.5ミリピッチフローティングコネクタ

ケルのＤＴシリーズハイスタックタイプ

　ケルは高速伝送対応０.５ミリピッチフローティングコネクタ「ＤＴシリーズ」の新バリエーションとして、「ハイスタックタイプ」を販売開始する。フローティングコネクタのバリエーション拡充により、さらに幅広い市場での展開を見込む。

　同社はフローティングコネクタでは、０.５ミリピッチ「ＤＹシリーズ」、０.４ミリピッチ「ＤＵシリーズ」に加え、昨年、高速伝送対応０.５ミリピッチフローティングコネクタ「ＤＴシリーズ」を発売。ＤＴは高速伝送対応という特徴から、新規の引き合いが増加している。

　ＤＴシリーズは、０.５ミリピッチながらＳＡＴＡ規格相当の高速シリアル信号伝送に対応。伝送特性はＳＡＴＡ　Ｒｅｖ３.０の要求規格を全て満足する。高速伝送対応ながらフローティングコネクタとしての機能も充実し、フローティング量はＸＹ方向に±０.５ミリメートルと従来と同等レベルを実現。コンタクト有効嵌合長１.５ミリメートルで接続信頼性を向上。接点は円弧形状で異物をかみ込みにくい形状。

　ＤＴシリーズ　ハイスタックタイプは、スタック接続時の高さ１７／１８／１９／２０ミリメートルの４タイプを展開。同社の小型フローティングコネクタは汎用性の高さから様々な電子機器で採用されている。バリエーション強化により、さらなる市場展開を図る。サンプル価格は１００極品で１セット８００円。

　ＤＴシリーズは、接続方式はスタック、水平、垂直接続の３次元接続に対応。プラグ・レセプタクルともにストレート、ライトアングルを用意。極数は、３０／４０／６０／８０／１００／１４０／２４０極（ライトアングルは２４０極を除く）。ＲｏＨＳ対応品。

　仕様は、定格電流は１端子につき０.４Ａ（極数によりピン数限定）。耐電圧ＡＣ２００Ｖ、１分間。使用温度範囲−４０―＋１０５度。

　▽フローティングコネクタ　基板にコネクタを実装する際に生じる縦横方向の誤差を吸収する機構（フローティング機構）を搭載したコネクタ。コネクタが可動することで嵌合時の誤差やずれを吸収でき、コネクタ・基板へのストレスを軽減できる。基板取り付け公差の吸収、同一基板に複数個の実装が可能、コネクタはんだ付け部へのストレス軽減などのメリットがある。