NC機能を簡単に実装できるダイナミックNFCタグの新ファミリー

　スイスのＳＴマイクロエレクトロニクスは、スピーカやプリンタ、調理器具、洗濯機、電気・ガス・水道メーターなど、あらゆる電子機器にＮＣ（近距離無線通信）機能を簡単に実装できるダイナミックＮＦＣタグの新ファミリー「Ｍ２４ＳＲ」を発表した。

　現在、ＮＦＣはスマートフォン（スマホ）やタブレット製品に搭載され、主に決済を行う機能として認識されているが、新タグＭ２４ＳＲにより、民生電子機器や生活家電、産業機器などとスマホの間で高速通信が可能となる。

　新チップが提供できる潜在的メリットの一つとしてＳＴは、スマホとオーディオ機器間のブルートゥース・ペアリングを紹介。ユーザーはスマホをＮＦＣ対応オーディオに近付けるだけで、両方の機器の設定がＮＦＣを介して伝送され、ブルートゥース・ペアリングを起動することができるという。

　Ｍ２４ＳＲは、電源オフ状態でも格納されたデータを保持する不揮発メモリー、ほかのワイヤレスデバイスと通信するためのワイヤレス・インターフェイス、ホスト機器のコントローラと通信するための有線インターフェイス（I²C）の三つの主要ブロックで構成される。

　不揮発メモリーは容量が２―６４キロビットのＥＥＰＲＯＭで、市場のあらゆるニーズに対応。ワイヤレス・インターフェイスは最大１０６キロバイト／秒のデータレートを実現するＩＳＯ１４４３―Ａプロトコルに完全対応している。I²Cインターフェイスの動作速度は最大１メガバイトで、スマホと対象機器間の高速データ転送を実現する。

　ＥＥＰＲＯＭメモリー・バンクは、あらかじめＮＦＣ駆動用にフォーマットされており、ＮＤＥＦ（ＮＦＣ　Ｄａｔａ　Ｅｘｃｈａｎｇｅ　Ｆｏｒｍａｔ）に対応。また、２００年間のデータ保持期間、１００万回の書き込み・消去リサイクル、１２８ビットのパスワード保護による最高クラスのセキュリティを保証する信頼性の高い最新ＥＥＰＲＯＭ技術を採用している。

　Ｍ２４ＳＲは、現在サンプル出荷中。小型で高コスト効率のＳＯ―８、ＴＳＳＯＰ８、ＭＬＰ８パッケージで提供される。