130218_04
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
2月18日 |
130218_04 |
帝人 |
電子材料 |
誘電体・絶縁体 |
一般産業用 |
フッ素系化合物使用のリチウムイオン二次電池用セパレータ
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帝人は、新規事業としてリチウムイオン二次電池(LIB)用セパレータを本格事業化している。フッ素系化合物コーティングを施したLIB用セパレータを昨年8月から量産開始し、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末向けで実績を拡大。さらに、メタ系アラミドをコーティングしたLIB用セパレータも電気自動車(EV)や大型蓄電池向けで評価が進展している。
同社は、LIB用の革新的セパレータとして(1)メタ系アラミド「コーネックス」をコーティングした高耐熱性セパレータ(2)フッ素系化合物をコーティングした耐熱性や易接着性に優れたセパレータの2種類を製品化。
これらの事業化に当たり、昨年、韓国CNF社との合弁によるセパレータ生産会社「帝人CNFコリア」(韓国アサン市)と、帝人全額出資のセパレータ販売会社「帝人エレクトロニクスコリア」(ソウル)を設立し、「LIELSORT(リエルソート)」ブランドで、LIB用セパレータの生産・販売を本格展開している。
同社のフッ素系化合物コーティングセパレータは、スマホやタブレット端末などに使用されるゲル状のポリマー電解質を有するラミネート型LIB向けに開発。ポリマー電解質との接着性や耐酸化性に優れる。
同セパレータの強みについて、小山俊也新事業開発推進グループ新機能材料事業開発部長兼電子材料開発部長は「パウチ型LIB電極との接着性が良く、リチウムイオンの移動性が上がるため電池のサイクル特性が向上できる。小型化が進むモバイル向けLIBは、エネルギー密度向上のために正極の電位を上げる必要があるが、このセパレータは高い電位でも酸化しにくいという特徴を持つ」と説明する。
メタ系アラミドコーティングのセパレータは、250度Cの焼きごてによるスポット加熱試験や釘刺し試験をクリア。プロセス面では独自のプロセスを開発し、ブラックボックス化している。これにより、コーティング後も多孔構造を形成し、リチウムイオンの動きを阻害することがない。
これらのケミカル技術とプロセス技術の組み合わせで完成したのが韓国の新工場。「韓国工場は最大年産能力1800万平方メートルを目指した設計を行い、スムーズに立ち上がった。13年度中頃には、全て埋まると考えている」(小山部長)。
今後も顧客と開発ロードマップを共有化しながら次世代品開発を推進する。「顧客とともに、3世代くらいまで含めた開発を進める。我々にしかできない製品を早く製品化していく」(小山部長)としている。
量産中のフッ素系樹脂コーティングのセパレータに加え、メタ系アラミドコーティングのセパレータも、EVやほかの大型産業用途などで評価が進んでいる。
同社は、LIB用セパレータ事業の中期目標として、20年に年間200億円の売上高と金額ベースでの世界シェア20%前後の確保を掲げる。
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