高効率耐圧50VのLED照明用ドライバーIC「LC5320S」

　サンケン電気は、９０％の高効率で、５０Ｖの高耐圧を実現した初のＬＥＤ照明用ドライバーＩＣ「ＬＣ５３２０Ｓ」（出力電流最大２Ａ）を開発、このほどサンプル出荷を開始した。サンプル価格は３００円。量産出荷は１０年３月から月産３０万個でスタートし、１１年４月からは月産１００万個に引き上げる。今後、３Ａや０.５Ａタイプなど、ラインアップの充実も計画、ＬＥＤ照明用ドライバーＩＣ分野における本格的なビジネス展開をはかる。

　ＬＣ５３２０Ｓは、４.７５―５０Ｖという幅広い入力電圧を持つ。一つのＩＣ（ワンチップ）で多数個のＬＥＤを直列接続で点灯でき、ＬＥＤを多く使用する照明用途では、回路の部品点数を最小限に抑制し、省スペース化を実現する。

　 また、回路方式により、従来の昇圧作動、降圧作動に加え、双方をあわせ持つ昇・降圧作動の３モードの作動を一つの製品で対応できるため、回路タイプごとにＩＣを揃えなくても済む。これによりユーザーは品種を増やすことが不要で管理が容易になるというメリットがある。

　 入力変動のある電源環境においても、負荷に安定した出力電圧の供給可能も特徴。電流検出精度は、プラスマイナス３％。

　 ユーザビリティの高い調光信号方式による調光機能と、２種類の標準回路の搭載で、競合メーカー品との差別化を図っていく。保護回路としては、過熱保護、負荷オープン保護、低電圧保護などを搭載している。

　 パッケージは小型面実装のＨＳＯＰ８（樹脂部寸法＝５.２×４.４×１.２ミリメートル）。製造は前工程（チップ）は同社１００％子会社の米ＰＳＩ、後工程（組み立て）は国内の協力会社で行う。

　 同社が挙げるＬＣ５３２０Ｓの主な用途は、スポット照明、ダウンライト、産業機器照明、街路灯、広告看板など。また、小インチのテレビ、モニターのバックライト用としての展開にも期待している。