USB2.0対応機器をワイヤレスで通信可能にするシステムLSI「μPD720180A」

　ＮＥＣエレクトロニクスは、ワイヤレスＵＳＢ対応パソコンなどのホスト機器とＵＳＢ２.０対応のプリンタやデジタル家電などの機器間を無線で通信可能にするシステムＬＳＩ「μＰＤ７２０１８０Ａ」を開発、１９日からサンプル出荷を開始した。サンプル価格は１千円/個。量産は１０月から開始し、０９年１０月には月５０万個程度の生産を予定している。

　 新製品は、ＵＳＢハブやプリンタなどの機器に用いるワイヤレスＵＳＢ対応のシステムＬＳＩで、利用周波数帯域が従来の３から５ギガヘルツ帯へ、また新たに５から１０ギガヘルツに対応させ、使用可能な通信帯域を大幅に広げている。

　 これにより、複数の周辺機器とＵＳＢ通信を行うと通信速度が低下するといった現象が解消でき、機器間の混信などの危険性が減り、通信品質の向上が図られる。

　 市場採用実績のある同社従来品とドライバーソフトの互換性を持たせているため、機器メーカーは信頼性の高いドライバーソフトをすぐに利用でき、一般消費者はＵＳＢケーブルを使用することなく無線で機器の初期設定が可能になる。

　 ワイヤレスＵＳＢは、速度がＵＳＢ２.０の最大４８０メガビット/秒と同じで、通信距離は最大１０メートル。パソコンとその周辺機器を中心に普及が始まりつつある。