電波プロダクトニュース
051201_05
光電変換効率が高い球状の単結晶シリコン太陽電池 京セミ(京都市伏見区恵美酒町949-2、中田仗祐社長)は、球状の単結晶シリコン太陽電池「スフェラー」を06年半ばから恵庭事業所(北海道恵庭市)で本格量産する。平面でしか光を取り込めない従来の平面型太陽電池に比べ、球状のためあらゆる方向から光が入射し、光電変換効率が高い。強度や耐久性に優れ、湾曲などフレキシブルな形状にも対応できることから、幅広い需要を見込んでいる。まず、携帯端末用電源として供給する。 恵庭事業所内に設置している高さ14メートル、φ30センチメートルの落下塔を使って、06年半ばから本格量産に入る。 現在、手作業の太陽電池セルをペーストで接続している結線も、開発中の結線自動機を同時に立ち上げ、前工程から後工程までの一貫自動生産体制を敷く。 スフェラーは、無重力状態下での表面張力により、液状のシリコンをほぼ真球状に成形する。溶融から凝固時の偏析効果によって99.9999%の高純度シリコン単結晶が得られる。Nプラス拡散により、pn接合を形成し、銀ペーストで電極付けし、反射膜をコーティングして仕上げる。 光電変換効率が最も高く、コストでも有利な単結晶シリコンを使用しているが、ガリウムひ素などほかの材料でも作れる。球状で、しかも電極を球面のいちばん遠いところに対極して形成することで、光を3次元的に取り込めるようにした。 太陽電池セル同士の結線が容易で、多様な形状にモジュール化できる。アクリル樹脂で封止すれば、湾曲など形状をフレキシブルに変えられる薄型太陽電池モジュール「フレキシブルスフェラー」にできる。 光電変換効率は、シリコン樹脂に並列接続したスフェラーを直列に結合したモジュールで19%を達成。単結晶の純度、質をさらに上げ、形状を最適化するなどして5年以内には24-25%ぐらいまで引き上げることができるとみている。 窓、天窓などに取り付ける住宅用電源から自動車や交通関係などの電源まで、幅広い用途を期待している。愛・地球博では、日本庭園ローリー・アンダーソンのショーアンドウオークでの歩きながら見所の説明が受けられる音声端末カードの発電エネルギと、情報信号を受信してスピーカを駆動させるデバイスとして採用され、実用化の第1号となっている。 同社では、92年に設立した恵庭事業所で9年前に新規事業としてスフェラーの開発に着手。98年に恵庭事業所内に無重力利用研究所を開設、次世代光半導体デバイスなどとともに、スフェラーの開発を加速してきた。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金も得て、03年まで実用化試験を続けていた。特許も94年に半球状で、96年に真球状で基本特許を含め約30件申請している。 |
|
全新製品情報
|
一般電子部品:製品別リスト
|
|
電子デバイス:製品別リスト
|
電子デバイス:用途別リスト|
| ホームページへ戻る
|
次データへ
|