電波プロダクトニュース
050616_04
従来のFPGA比9.5倍の速度を持つ高速通信用多機能符号処理用「次世代FPGA」 半導体MIRAIプロジェクト(廣瀬全孝グループリーダ)は、従来のFPGAの9.5倍の高速処理能力を持つ高速通信用の多機能符号処理用LSIを開発した。信号波形を適応的に制御、プリント基板上の70センチメートルの配線に対し、2ギガヘルツの高速信号伝送に成功している。今後、再構成機能も強化、通信分野に特化した柔軟性の高い高機能FPGAとしての利点を、さらに追求していく計画。 今回開発された“次世代FPGA”(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)ともいうべき新LSIについて、同プロジェクトの樋口哲也グループリーダ(筑波大学教授)は「新しいFPGAのあり方を示した」としている。 新LSIの開発に当たっては、まず通信システムの符号化・複合化処理などに頻繁に用いられるガロア体演算を高速に実行する演算回路を開発したこと。 次に、この回路を含む2種類の回路ブロックを開発、それらをユーザーが組み合わせて、複数の信号処理機能を実現できる再構成可能なLSIを実現した。 さらに、このLSIにより、従来のFPGAを用いる方法に対し、最大9.5倍の性能向上を実証した。 高速なデジタル信号の伝送においては、伝送時の信号波形のひずみが問題。そこで、そのひずみを打ち消すような波形を送信側で生成・付加し、受信側にひずみの少ない「プリエンファシス技術」に「ポストファブリケーション調整技術」を組み合わせ、伝送路の実際の伝達関数に応じて、適応的に送信波形を制御することに成功した。 新LSIの製造プロセスは130ナノメートル。 今回の研究成果は、京都で開催中の「2005VLSIシンポジウム」で発表される。 ◇ガロア体演算――有限体とも呼ばれ、有限個のもとからなる集合、および集合上で定義された4則演算からなる体系。 ◇ポストファブリケーション調整――調整回路を用いた回路構成と、人工知能の探索手法である遺伝的アルゴリズムを用いた「高速調整ソフトウエア」の2つで構成。 |
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