電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
3月15日050315_03 独インフィニオン 半導体集積回路 専用IC 移動体通信機器用

携帯端末向けRFトランシーバーとベースバンドプロセッサー結合の無線用半導体



米調査会社アイサプライによると、04年の携帯電話出荷台数は前年比24%増の7億400万台。05年は伸びが鈍化し、5%成長にとどまるとみられるが、それでも04年より3600万台多くの携帯電話が市場に出回ることになる。携帯電話市場の伸びを支えているのは、第3世代(3G)需要であるとともに、アジアやアフリカ、南米など携帯電話の普及率が比較的低い地域におけるエントリーレベルの端末に対する需要である。

半導体大手の独インフィニオン・テクノロジーズは先ごろ、RFトランシーバーとベースバンド・プロセッサーを結合した無線用半導体「EGOLD」を発表した。同チップは、大規模市場向け小型・低価格製品の需要拡大に対応するもので、9×9ミリと基板サイズは従来より30%縮小。ディスクリート部品や、通常では二種類のチップを要するコンデンサーなどが不要なため、材料費の30%削減を実現、端末メーカーの生産効率を大きく向上させる。

インフィニオンの販売・マーケティング担当ドミニク・バイロ副社長は「当社の携帯端末向けチップセット・モジュール製品は、端末メーカーの製品小型化を実現するとともに、顧客向けに最適化されたソリューションを提供する」と語る。

戦略的ロードマップ

同社のモバイル通信向け無線トランシーバーとベースバンド・プロセッサーは、低価格製品から付加価値の高い端末まで、市場の幅広い製品分野に対応。また同社では、端末開発におけるハードウエアの部分を提供するだけでなく、カスタム化した端末向けに完全なソリューションも提供。プラットフォームを作り上げるこのプロセスは、インフィニオンのモバイル通信分野の戦略的ロードマップともなっている。

先月フランスのカンヌで開催された「3GSMワールド・コングレス」で、インフィニオンは「EGOLD」を披露。バイロ副社長によると、同チップは、RFトランシーバーの開発プロセスをBiCMOSからCMOSに移行し、回路を簡素化した。同社では端末需要の拡大を見込んで生産体制を整えており、05年末に「EGOLD」の量産を計画している。

提携強化が必要

日本市場での事業展開についてバイロ副社長は「04年の当社の日本における売上高は3億6400万ユーロ。全売上高の5%に過ぎないが、『FOMA』に使用されるRF送信部分の80%を供給しており、同端末の成功が当社の売上げの伸びに貢献した」と述べた。日本の携帯電話市場は普及率約70%で飽和状態にある。バイロ副社長は「すでに日本におけるRF市場では基礎を築いているが、先にパナソニック向けのW-CDMA方式の端末向けに基幹設計を供給することで合意しており、日本メーカーとの提携関係強化が必要と考えている」と述べた。
(コロナド前特派員)


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