電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
1月25日050125_01 ソリトンR&D 電子材料 電子材料 汎用

フレキシブルプリント配線板の製造技術をコア技術に特殊基板を独自開発



ソリトンR&D(静岡県浜松市、松浦輝社長)は、フレキシブルプリント配線板(FPC)の製造技術をコア技術に特殊基板を独自開発。銅箔の中に水などの冷媒を流す「熱回路基板」や、FPCに光ファイバーパターンを形成した「光回路基板」など、超微細加工を用いた製品、製造技術を提供する。

熱回路基板は、簡単にいうと電気が流れる代わりに水(冷媒)が流れる基板。銅箔の中に水が流れるパイプが張り巡らされ、水が循環する。この銅箔を多層プリント板に積層すれば「水冷機構付きプリント板」ができ上がる。

放熱問題を解決
松浦社長は「熱回路基板を用いれば、パソコンのCPUなど高性能デバイスごとに不可欠な冷却ファンや放熱板は必要なくなる。さまざまな放熱問題を一挙に解決できる」という。

熱回路基板の厚さは100μ以下。二万回以上の折り曲げにも耐える屈曲性があり、ポリイミド樹脂でカバーすれば、見た目も屈曲性も通常のFPCと変わらない。

FPCと同等の薄さと屈曲性を持つことで、冷媒が発熱体(マザーボード)で奪った熱を放熱する「放熱器」(ラジエーター)を自由に配置できる。例えば、ノートパソコンのマザーボードに用いた場合なら、液晶の裏に基板状の放熱器を配置することが可能になる。

「あらゆる電子機器の形や性能を変え得る」(松浦社長)というこの基板は、極めて正確な超微細エッジング加工技術が要求される。

基板の厚さが100μの場合、厚さ50μの銅箔を幅1ミリ、深さ25μの溝をハーフエッジングする。そして、同様にハーフエッジングした銅箔と重ね合わせ、銅箔の中に水路を作る。

溝の位置はもちろん、幅、深さが少しでもずれれば、流れが悪くなり、冷却効果は薄れる。だがより少量の冷媒で、より冷却効果を生み出すためには、水路を細くして冷媒の流れを速くする必要がある。

松浦社長は「幅20μの溝で、厚さ55μの基板は製造できる」という。

研究開発に特化
この業界でもトップクラスのエッジング技術は、従業員十五人程度の中小企業ながら研究開発に特化し、エッジング液から製造装置まで、エッジングに関するすべての要素を自社で開発しているから生まれる。

現在、熱回路基板はPCやプロジェクターメーカーへの技術供与をめざす段階だが、ライン/スペース・30μ/30μのアルミ基板を可能にするエッジングシステム(溶剤)などは、薬品メーカーの協力を得て実用、量産化されている。

ほかにも、熱回路基板のノウハウを用い、銅箔内に光ファイバーを50μのスペースで配置した光回路基板など、特殊基板を次々と開発する。

基本的に「どこのメーカーでも断られたというような依頼」(松浦社長)に応える形で、新たな基板を開発する同社だが、松浦社長は「当社を二年前に設立したのは、熱回路基板で、世の中の熱対策を解決させたいという思いから。十分な冷却機能を持つ技術レベルに達した今年を、当社の本当の意味でのスタートの年と位置付け、売り込んでいく」と話している。


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